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標準管理規約と区分所有法の違いとは? 総会の決議要件を対照表で整理

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マンション標準管理規約47条と区分所有法の総会の決議要件を、定足数・普通決議・4分の3・3分の2・5分の4の対照表で整理。令和7年改正後の現行の規定で、試験の取り違えポイントも解説します。

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マンション標準管理規約47条と区分所有法の総会の決議要件を、定足数・普通決議・4分の3・3分の2・5分の4の対照表で整理。令和7年改正後の現行の規定で、試験の取り違えポイントも解説します。

この記事の要点

  • 決議の割合は、規約の普通決議を除いて法と同じ。違いは普通決議で、法は出席者の頭数と議決権の各過半数、標準管理規約は議決権だけを数える
  • 標準管理規約は総会の定足数を議決権総数の過半数と定める。特別決議の事項は、これに加えて組合員総数の過半数の出席も必要
  • 3分の2の決議は、瑕疵の除去・バリアフリー化のための変更と、建物の価格の2分の1を超える滅失の復旧。マンション再生等は出席者でなく全体の5分の4
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総会の決議要件は、区分所有法にも標準管理規約にも書かれています。試験で混乱しやすいのは、「この割合は法律の話か、規約の話か」という点です。結論を先に言うと、決議の割合は両者でほぼ同じで、違いが出るのは普通決議と定足数です。この記事では、標準管理規約47条と区分所有法を対照表にして整理します。条文は令和7年改正(区分所有法は2026年4月1日施行)後の現行の規定で、2026年10月29日時点の内容です。

結論:違いは「普通決議の数え方」と「定足数」

まず全体像です。

決議 区分所有法 標準管理規約(47条)
総会成立の定足数 普通決議には定足数の定めがない(39条1項) 議決権総数の過半数の出席(1項)
普通決議 出席した区分所有者と議決権の各過半数(39条1項) 出席組合員の議決権の過半数(2項)
4分の3の決議 区分所有者と議決権の各過半数が出席し、出席者の各4分の3以上 同じ(3項)
3分の2の決議 同じく出席要件を満たし、出席者の各3分の2以上 同じ(4項)
マンション再生等 全体の各5分の4以上(客観的事由があれば4分の3) 同じ(5項・6項)

法は普通決議で「頭数と議決権」を数えます。標準管理規約の普通決議は「議決権」だけです。区分所有法39条1項が、規約で別段の定めをすることを認めているため、このような規定ができます。

普通決議の違いを数字で確かめる

ひばりマンションを例にします。組合員は46人、議決権は50個とします。ある議案に、書面や代理人の分を含めて28人・31個が出席し、賛成が23個だったとします。

項目 区分所有法の考え方 標準管理規約
総会は成立するか 普通決議の定足数は法に定めがない 50個の過半数は26個。31個の出席で成立
可決に必要な賛成 出席28人の過半数(15人)かつ出席31個の過半数(16個) 出席31個の過半数(16個)
賛成が最少の場合 出席者の過半数の頭数と議決権の双方が必要 26個の出席で14個の賛成。全体の4分の1を超える賛成で決まる

規約の普通決議は、議決権の過半数だけで決まります。出席者が最少でも通るため、国土交通省のコメントは、大規模修繕工事のように多額の費用がかかる事項は、規約で「組合員総数及び議決権総数の過半数」などと厳しくしてもよいとしています。

定足数の違いは、令和7年改正で大きく動いた

令和7年の区分所有法の改正で、特別多数決議(各4分の3など)は、出席者を母数にして数える方式に変わりました。そのかわり、決議のための出席要件が設けられています。

出席要件の対象 内容
区分所有者(組合員)の数 総数の過半数が出席
議決権 総数の過半数を有する者が出席

標準管理規約も、これに合わせて見直されました。47条の1項(総会成立の定足数)は、改正前の「議決権総数の半数以上」から「議決権総数の過半数」になっています。3項(4分の3)と4項(3分の2)の事項は、1項の要件に加えて、組合員総数の過半数の出席も必要です。

総会で決める事項 確認する出席要件
普通決議の事項だけ 議決権総数の過半数の出席
特別決議(4分の3・3分の2)の事項を含む 議決権総数の過半数、かつ組合員総数の過半数の出席

なお、国土交通省のコメントは、住戸数の少ない小規模マンションでは、総会成立の定足数を改正前と同じ「議決権総数の半数以上」とすることも考えられる、としています。

4分の3の決議で決める事項

標準管理規約47条3項は、出席組合員とその議決権の各4分の3以上で決める事項を5つ挙げています。

  1. 規約の制定、変更、廃止
  2. 敷地・共用部分等の変更(形状または効用の著しい変更を伴わないものと、耐震改修促進法の認定を受けた耐震改修を除く)
  3. 2に伴って必要になる専有部分の保存行為等
  4. 区分所有法58条1項・59条1項・60条1項の訴えの提起
  5. 総会で、この方法で決議することにした事項

規約の変更が一部の組合員に特別の影響を及ぼすときは、その組合員の承諾が必要です(9項)。区分所有法31条1項と同じ考え方です。

3分の2の決議で決める事項

3分の2に緩和されるのは、次の事項です(規約47条4項、法17条5項・61条5項)。

事項 内容
瑕疵の除去に必要な変更 設置・保存の瑕疵で他人の権利などが侵害される、またはそのおそれがある場合
バリアフリー化のための変更 高齢者・障害者等の移動・施設の利用の負担を軽くするために必要なもの
それに伴う専有部分の保存行為等 上の変更に伴って必要になるもの
大規模滅失の復旧 建物の価格の2分の1を超える部分が滅失した場合の、共用部分の復旧

国土交通省のコメントの例では、階段にスロープを併設して手すりを追加する工事は普通決議です。階段室を改造したり、外壁に外付けしたりしてエレベーターを新設する工事は、3分の2の決議にあたります。耐震改修は、柱やはりに炭素繊維シートを巻く程度なら普通決議、基礎を切断して免震構造にするような大きな加工は3分の2です。分かれ目は、建物の基本的構造部分への加工の大きさです。いずれも、最終的には個別の工事の内容で判断します。

マンション再生等の決議は全体の数で決める

建替え決議・建物更新決議・取壊し決議は、出席者ではなく全体の各5分の4以上です。建物敷地売却決議などは、これに敷地利用権の持分の価格の5分の4以上も加わります。耐震性不足などの客観的事由があるときは、いずれも4分の3以上に下がります(法62条2項、規約47条5項・6項)。

決議 母数 割合
普通決議・4分の3・3分の2 出席者 過半数・4分の3・3分の2
マンション再生等の決議 組合員総数・議決権総数(売却は敷地利用権の持分の価格も) 5分の4(客観的事由があれば4分の3)

試験での取り違えポイント

正しい理解 よくある誤り
普通決議で頭数も数えるのは区分所有法。標準管理規約は議決権だけ 規約の普通決議でも頭数を数えると考える
規約の定足数は議決権総数の過半数(令和7年改正後) 改正前の「半数以上」のまま覚える
特別決議の事項は、組合員総数の過半数の出席も必要 議決権の過半数が出席していれば足りると考える
書面・代理人で議決権を行使した組合員も、出席に算入する(7項) 書面で行使した人は出席に数えない
総会は、招集通知で通知した事項しか決議できない(12項) 当日に議題を追加して決議できる
全員の承諾があれば、書面による決議ができる(法45条) 一人でも反対すると総会が開けないと考える

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決議の割合そのものは区分所有法の決議要件を1枚の表で整理した記事、令和7年改正の全体像は区分所有法改正の記事でも確認できます。

よくある質問

Q. 標準管理規約の普通決議では、頭数は数えないのですか?

数えません。47条2項は、出席組合員の議決権の過半数で決すると定めています。区分所有法39条1項は「出席した区分所有者及びその議決権の各過半数」ですが、規約で別段の定めをすることができます。

Q. 特別決議の総会に必要な出席はどれだけですか?

組合員総数の過半数であって、議決権総数の過半数を有する組合員の出席が必要です(規約47条3項・4項)。そのうえで、出席組合員とその議決権の各4分の3以上(または3分の2以上)の賛成で決まります。

Q. 標準管理規約は法律と同じ効力がありますか?

ありません。標準管理規約は国土交通省が示したひな型で、各マンションは自分の規約を定めて使います。法律の強行規定に反する定めはできませんが、規約で別段の定めができる事項については、規約が優先します。

まとめ

  • 決議の割合(4分の3・3分の2・5分の4)は、法と標準管理規約で同じ。違いは普通決議(規約は議決権だけ)と定足数(規約は議決権総数の過半数)
  • 特別決議の事項は、議決権総数と組合員総数の各過半数の出席が必要
  • 3分の2は、瑕疵の除去・バリアフリー化と、2分の1を超える滅失の復旧。マンション再生等は全体の5分の4
  • 割合を覚えるときは、「出席者で数えるか、全体で数えるか」を必ず確かめる

標準管理規約の条文は、法律の条文と並べて読む習慣をつけると、取り違えが減ります。

参考にした情報

記事の内容は、記載の日付時点で確認した情報にもとづいています。最新の情報は各公式サイトでご確認ください。内容に誤りを見つけた場合は、お問い合わせからお知らせください。確認のうえ修正します。

2026年10月29日約9分で読めます
マンション管理士標準管理規約区分所有法総会普通決議特別決議
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