アプリで今すぐ学習
ブログ一覧へ戻る
論点解説

シェンゲン協定の加盟国は29か国? ユーロの国との違いと通貨の組合せを整理

公開

シェンゲン協定は国境の審査をなくす取り決めで、ユーロは通貨の仕組みで別のもの。加盟29か国の内訳、EUなのに非加盟の国、ユーロを使わない6か国の通貨を、EUとECBの公表資料で整理します。

トーレス先生
トーレス

シェンゲン協定は国境の審査をなくす取り決めで、ユーロは通貨の仕組みで別のもの。加盟29か国の内訳、EUなのに非加盟の国、ユーロを使わない6か国の通貨を、EUとECBの公表資料で整理します。

この記事の要点

  • シェンゲン圏は29か国。内訳はEUの国が25か国、EUの外のアイスランド・ノルウェー・スイス・リヒテンシュタインが4か国
  • EUの国でも、アイルランドは参加せず、キプロスは国境審査がまだ残っていて、この2か国はシェンゲン圏に入らない
  • ユーロを使うEUの国は21か国(2026年にブルガリアが加わった)。チェコ・デンマーク・ハンガリー・ポーランド・ルーマニア・スウェーデンは独自の通貨
  • シェンゲンかどうかとユーロかどうかは別の問い。2つに分けて1か国ずつ判定する
目次▾
総合旅行の試験ガイド(試験日・申込・合格基準・合格率)総合旅行業務取扱管理者試験とは? 4科目・配点・合格基準(各科目60%・海外実務は120点)
AI講師トーレス
総合旅行業務取扱管理者講座

総合旅行業務取扱管理者の合格まで、授業動画で最短に。

図解の授業動画140本で、試験範囲をひととおり学べます。確認問題・単語帳・模擬試験までそろい、つまずいたところはAI講師トーレスに質問できます。月額・年額プランで、いつでも解約できます。

ヨーロッパ周遊の旅程を組むとき、「この国の間は入国審査があるのか」「現地ではどの通貨を使うのか」は必ず確認する点です。総合旅行業務取扱管理者の海外旅行実務でも、国の名前に「シェンゲン協定に加盟か」「通貨は何か」を組み合わせて問う形が出ます。この記事では、EU(欧州連合)とECB(欧州中央銀行)が公表している情報をもとに、シェンゲンとユーロを別々に判定する方法を整理します。

この記事は、2026年11月2日時点で確認した公式ページにもとづいています。加盟国は今後変わることがあります。実際の旅行のご案内や受験の前には、各公式サイトで最新の内容を確認してください。

シェンゲン協定とは? 国境の審査をなくす取り決め

シェンゲン協定は、加盟国どうしの国境で行う審査をなくす取り決めです。欧州委員会のページでも、加盟国の間の国境では審査が行われないこと、審査は域外との境(外部国境)で行うことが示されています。

つまり、日本から入ってきた旅行者は、最初に入る加盟国で入国の審査を受け、その後は加盟国の間を審査なしで移動できます。短期滞在には期間の上限(90日/180日のルール)がありますが、数え方や必要な書類は公式ページで確かめてください。

覚える点は「審査の仕組み」だということです。お金の話ではありません。

シェンゲン圏は29か国:内訳は25+4

欧州委員会のページによると、シェンゲン圏は29か国で、EUの国が25か国、EUに入っていない国が4か国です。

区分 国の数 該当する国
EU加盟国でシェンゲンにも参加 25か国 EUの27か国のうち、次の2か国を除く国々
EU非加盟でシェンゲンに参加 4か国 リヒテンシュタイン、スイス、ノルウェー、アイスランド
EU加盟国だがシェンゲン圏の外 2か国 キプロス、アイルランド

直近の加盟は、ブルガリアとルーマニアで、2025年1月1日です。

「EUに入っている=シェンゲンに入っている」ではありません。アイスランド、ノルウェー、スイス、リヒテンシュタインはEUの外の加盟国で、アイルランドとキプロスはEUの国なのにシェンゲン圏ではありません。

EUの国なのにシェンゲンでない2か国

欧州委員会のページは、この2か国を次のように説明しています。

国 状況
アイルランド 協定への参加を選ばない権利(オプトアウト)があり、自国のビザと国境の政策を保っている。一部の分野(情報システムや警察・司法の協力)には参加を求めている
キプロス シェンゲンの協力には加わっているが、域内の国境の管理を廃止する決定がまだされていない。加わる手続きの途中

どちらもユーロを使う国です。そのため、「ユーロの国だからシェンゲンに加盟」という推測は誤りになります。

ユーロを使うEUの国は21か国

次に通貨です。EUのページによると、ユーロを使うEUの国は27か国のうち21か国です。

区分 国
ユーロを使う21か国 オーストリア、ベルギー、ブルガリア、クロアチア、キプロス、エストニア、フィンランド、フランス、ドイツ、ギリシャ、アイルランド、イタリア、ラトビア、リトアニア、ルクセンブルク、マルタ、オランダ、ポルトガル、スロバキア、スロベニア、スペイン

ブルガリアが21か国目です。ECBとEUのページの一覧に載っています。以前の「20か国」という覚え方は古くなっています。

また、EUの外でも、アンドラ、モナコ、サンマリノ、バチカンはEUとの取り決めにもとづいて、モンテネグロとコソボは取り決めなしでユーロを使っている、とECBのページにあります。

ユーロを使わないEUの6か国と通貨

EUの国でも、ユーロを使わない国が6か国あります。ECBのページにある通貨は次のとおりです。

国 通貨 シェンゲン圏か
チェコ コルナ 圏内
デンマーク クローネ 圏内
ハンガリー フォリント 圏内
ポーランド ズウォティ 圏内
ルーマニア レウ 圏内
スウェーデン クローナ 圏内

6か国とも、前に見た25か国のEUの加盟国に入っています。ユーロを使わなくても、シェンゲンには入っているという組合せです。デンマークには、ユーロを導入しない権利(オプトアウト)があります。

2つの問いに分けて組合せを判定する

組合せの問題は、国ごとに2つの問いに分けて判定すると間違えにくくなります。

  1. シェンゲン圏か(29か国に入るか)
  2. 通貨はユーロか(21か国に入るか)

この2つの組合せで、国は次のように分かれます。

シェンゲン ユーロ 例
加盟 ユーロ フランス、ドイツ、イタリア、スペイン、ブルガリア、クロアチア
加盟 ユーロでない チェコ、デンマーク、ポーランド、ルーマニア、スウェーデン、ハンガリー
加盟(EUの外) ユーロでない スイス、ノルウェー、アイスランド、リヒテンシュタイン
非加盟 ユーロ アイルランド、キプロス

スイスなどEUの外の4か国は、この記事の出典でユーロを使う国に挙がっていないので、ユーロではありません。通貨名は、旅行先ごとに公式ページで確かめてください。

学習のコツ:覚えるのは例外の国だけ

29か国の名前をそのまま暗記する必要はありません。覚えるのは例外です。

  • EUの国でシェンゲンでない:アイルランド、キプロス
  • EUの外でシェンゲンに入る:アイスランド、ノルウェー、スイス、リヒテンシュタイン
  • EUの国でユーロを使わない:チェコ、デンマーク、ハンガリー、ポーランド、ルーマニア、スウェーデン

この3つの表を頭に置き、設問の国がそのどれにあたるかを見れば、残りは「ふつうの国」と判定できます。直近の変化(2025年1月のブルガリアとルーマニアのシェンゲン完全加盟、2026年のブルガリアのユーロ導入)は、旅行先の情報として問われる可能性があるため、日付と合わせて確かめておきましょう。

総合旅行業務取扱管理者講座では、海外旅行実務のこの分野を、国の組合せを判定する手順で学べます。国内旅行業務取扱管理者の合格者が、約款と海外旅行実務の2科目だけを受ける流れはこちらの記事で整理しています。

まとめ

  • シェンゲンは国境の審査の仕組み、ユーロはお金の仕組み。別々に判定する
  • シェンゲン圏は29か国(EU 25か国+EU外4か国)。アイルランドとキプロスはEUの国でも圏外
  • ユーロを使うEUの国は21か国。ブルガリアが加わった。チェコ・デンマーク・ハンガリー・ポーランド・ルーマニア・スウェーデンは独自の通貨
  • 覚えるのは例外の国。最新の状況は公式ページで確かめる

よくある質問

Q. ユーロを使う国は、すべてシェンゲン圏ですか?

いいえ。アイルランドとキプロスはユーロを使いますが、シェンゲン圏には入っていません。

Q. スイスはEUの国ですか? 通貨はユーロですか?

スイスはEUに入っていませんが、シェンゲン圏には加盟しています。EUとECBの一覧にユーロを使う国として載っていないため、通貨はユーロではありません。

Q. ルーマニアはシェンゲン圏ですか?

はい。ブルガリアとともに2025年1月1日に加盟しました。通貨はユーロではなく、レウです。

参考にした情報

記事の内容は、記載の日付時点で確認した情報にもとづいています。最新の情報は各公式サイトでご確認ください。内容に誤りを見つけた場合は、お問い合わせからお知らせください。確認のうえ修正します。

2026年11月2日約7分で読めます
総合旅行業務取扱管理者試験海外旅行実務シェンゲン協定ユーロヨーロッパ
AI講師トーレス
総合旅行業務取扱管理者講座

総合旅行業務取扱管理者の合格まで、授業動画で最短に。

図解の授業動画140本で、試験範囲をひととおり学べます。確認問題・単語帳・模擬試験までそろい、つまずいたところはAI講師トーレスに質問できます。月額・年額プランで、いつでも解約できます。

関連記事

帰国時の免税範囲と簡易税率の計算:20万円・酒3本・課税価格0.6を例題で整理

帰国時の免税範囲と簡易税率の計算:20万円・酒3本・課税価格0.6を例題で整理

海外旅行から帰国するときの免税範囲(酒3本・紙巻たばこ200本・香水2オンス・その他20万円)と、超えたときの簡易税率15%の計算を、税関の公表資料と新作の例題で整理します。総合旅行業務取扱管理者の海外旅行実務の対策にも。

2026年10月24日約9分
パスポートの発給申請:必要書類・本人確認書類・代理提出のルール(総合旅行業務取扱管理者)

パスポートの発給申請:必要書類・本人確認書類・代理提出のルール(総合旅行業務取扱管理者)

総合旅行業務取扱管理者の海外旅行実務で問われる旅券の発給申請を、旅券法と施行規則の条文で整理。戸籍謄本、本人確認書類の1点・2点の組合せ、代理提出、署名と記名、受け取りまでを表で解説します。

2026年10月21日約11分
国際航空運賃の運賃規則表の読み方:項目の並びと引く順番を整理(総合旅行業務取扱管理者)

国際航空運賃の運賃規則表の読み方:項目の並びと引く順番を整理(総合旅行業務取扱管理者)

総合旅行業務取扱管理者の海外旅行実務で使う国際航空運賃の運賃規則表を、ANAの公開ページで確認できる項目に沿って整理。予約期限・必要旅行日数・途中降機などの意味と、計算の問・正誤の問での引き方を解説します。

2026年10月17日約9分
時差の計算のやり方:GMTと夏時間を4段で解く(総合旅行業務取扱管理者)

時差の計算のやり方:GMTと夏時間を4段で解く(総合旅行業務取扱管理者)

総合旅行業務取扱管理者の海外旅行実務で出る時差の計算を、GMTを経由する4段の手順で整理。夏時間の期間(北米・ヨーロッパ・オーストラリア)と日付をまたぐ場合の処理を、例題つきで解説します。

2026年10月16日約9分