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論点解説

時差の計算のやり方:GMTと夏時間を4段で解く(総合旅行業務取扱管理者)

総合旅行業務取扱管理者の海外旅行実務で出る時差の計算を、GMTを経由する4段の手順で整理。夏時間の期間(北米・ヨーロッパ・オーストラリア)と日付をまたぐ場合の処理を、例題つきで解説します。

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トーレス

総合旅行業務取扱管理者の海外旅行実務で出る時差の計算を、GMTを経由する4段の手順で整理。夏時間の期間(北米・ヨーロッパ・オーストラリア)と日付をまたぐ場合の処理を、例題つきで解説します。

この記事の要点

  • 時差は「出発地の時刻 → GMT → 到着地の時刻」の順に、足し引きで解く。東の都市は数字が大きく、西は小さい
  • 問われた日付が夏時間の期間なら、その都市の時差に1を足してから使う。期間は地域ごとに違う
  • 北米とヨーロッパは切り替え日がずれるため、その数週間は両都市の時差がふだんと1時間変わる
  • 計算結果が0時より前なら24を足して前日、24時以上なら24を引いて翌日にする
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海外旅行実務では、「東京が何月何日の何時のとき、現地は何時か」を求める時差の計算が出題の定番です。国内旅行業務取扱管理者に合格した人にとっては、国内の試験にはまったくない分野なので、苦手意識を持ちやすいところです。この記事では、数字を覚えるのではなく、手順で解く方法を整理します。例題はすべてこの記事のために新しく作ったものです。

夏時間の期間は、2026年10月16日時点で確認した制度にもとづいて書いています。実際の問題では、都市ごとの時差と夏時間の期間が表で示される前提で解きます。表の形式は年度で変わることがあるので、必ず過去問や最新の受験案内で確認してください。

結論:GMTを経由して、足し算と引き算だけで解く

時差の問題は、次の4段で解けます。

  1. 出発地と到着地の標準時の時差(GMTからの進み・遅れ)を、表で調べる
  2. 問われた日付が、それぞれの都市の夏時間の期間に入っているかを確かめる(入っていれば、その都市の時差に1を足す)
  3. 出発地の時刻から、出発地の時差を引いて、GMT(グリニッジ標準時)にする
  4. そのGMTに到着地の時差を足して、到着地の時刻にする

GMTは、イギリスのロンドンを通る経線を基準にした時刻です。日本の標準時はこれより9時間進んでいます(NICTは「UTCと日本の標準時の間にも9時間の時差」と案内しています。UTCは協定世界時で、旅行実務ではGMTとほぼ同じ意味で扱われます)。そのため、東京の時差は+9と表されます。

2つの都市を直接引き算するより、いったんGMTに直す方がミスが減ります。式は2本だけです。「出発地の時刻 − 出発地の時差 = GMT」「GMT + 到着地の時差 = 到着地の時刻」。

時差の符号:東は進み、西は遅れる

時差は、GMTより何時間進んでいるか(+)、遅れているか(−)で表します。経度の東側にある都市ほど、数字は大きくなります。

地域の例 時差(標準時) GMTとの関係
ホノルル −10 10時間遅れ
ロサンゼルス −8 8時間遅れ
ニューヨーク −5 5時間遅れ
ロンドン 0 基準
パリ +1 1時間進み
東京 +9 9時間進み
シドニー +10 10時間進み

ここで注意したいのは、マイナスの時差を「引く」場面です。たとえばニューヨーク(−5)の時刻をGMTにするときは、時刻から−5を引くので、実際には5を足すことになります。符号を見落とすと、答えが10時間ずれます。

夏時間の期間は、地域ごとに違う

夏時間(サマータイム)は、夏の間だけ時計を1時間進める制度です。夏時間の期間は、標準の時差に1を足して使います。パリは+1が+2に、ニューヨークは−5が−4になります。マイナスの都市も同じく、1を足します。

期間は地域で異なります。公式の情報で確かめたきまりと、2026年の日付を並べます。

地域 期間のきまり 2026年の日付
北米(米国の連邦法) 3月の第2日曜の午前2時から、11月の第1日曜の午前2時まで 3月8日〜11月1日
ヨーロッパ(EU指令) 3月の最終日曜から、10月の最終日曜まで(いずれも午前1時GMT) 3月29日〜10月25日
オーストラリア(NSW州など) 10月の第1日曜から、翌年4月の第1日曜まで 10月4日〜(翌年4月)

出典は、米国法典(15 U.S.C. § 260a)、EU指令2000/84/EC、ニューサウスウェールズ州政府のページです。米国では、州が法律で夏時間を適用除外にできるため、行わない州があります。ハワイ州が代表例で、ホノルルはふだんの−10のまま1年中使います。

オーストラリアでは、クイーンズランド州、ウェスタンオーストラリア州、ノーザンテリトリーは夏時間を行いません(NSW州政府のページの記載)。同じ国でも都市によって扱いが違うので、都市名まで確かめます。

南半球は、日本の冬に夏時間になる

北半球の夏時間は、おおむね3月から10月(北米は11月初め)の間です。ところが南半球のオーストラリア南東部では、10月から翌年4月までが夏時間で、季節が逆になります。

日本の季節 シドニーの時差 東京との差
1月(夏時間の期間) +11 シドニーが2時間進み
7月(夏時間の期間外) +10 シドニーが1時間進み

つまり、東京とシドニーの時差は、日本の冬の方が1時間大きくなります。「夏時間は夏にやるもの」と思い込むと、南半球の問題でつまずきます。

例題で手順を確かめる

例題1:東京が8月5日の10時のとき、ロサンゼルスは何時か

東京は+9、ロサンゼルスは標準時で−8です。8月は北米の夏時間なので、ロサンゼルスは1を足して−7になります。

  • 出発地の時刻をGMTにする:10時 − 9 = 1時(8月5日のGMT)
  • 到着地の時刻にする:1時 +(−7)= −6時

0時より前になったので、24を足して18時、日付は1日戻します。答えは8月4日の18時です。東京から見ると、ロサンゼルスは16時間遅れていることになります。

例題2:ニューヨークが12月3日の21時のとき、東京は何時か

12月は北米の夏時間の期間外なので、ニューヨークは標準時の−5のままです。東京は+9です。

  • GMTにする:21時 −(−5)= 26時
  • 24以上なので、24を引いて2時、日付は1日進めて12月4日のGMT
  • 東京の時刻にする:2時 + 9 = 11時

答えは12月4日の11時です。ニューヨークの時差が−5なので、引き算が足し算になる点が落とし穴です。

例題3:ロンドンが1月15日の22時のとき、シドニーは何時か

ロンドンは0で、1月はヨーロッパの夏時間の期間外です。シドニーは1月が夏時間の期間なので、+10に1を足して+11です。

  • GMTにする:22時 − 0 = 22時
  • シドニーの時刻にする:22時 + 11 = 33時

24以上なので、24を引いて9時、日付は1日進めます。答えは1月16日の9時です。

切り替え日がずれる期間は、時差がふだんと変わる

北米とヨーロッパでは、夏時間が始まる日と終わる日が違います。2026年の春は、北米が3月8日、ヨーロッパが3月29日に夏時間を始めます。次の表は、東京・ニューヨーク・ロンドンの時差を、この年の時期ごとに比べたものです。

期間(2026年) ニューヨークの時差 ロンドンの時差 ニューヨークとロンドンの差
3月7日まで −5 0 5時間
3月8日〜3月28日 −4(夏時間) 0 4時間
3月29日〜10月24日 −4(夏時間) +1(夏時間) 5時間

3月8日〜28日は、北米だけが夏時間に入っているので、ニューヨークとロンドンの時差が4時間に縮みます。秋も同じことが起きます(北米は11月1日まで、ヨーロッパは10月25日までなので、10月25日〜31日の1週間です)。切り替え日の前後の日付が出たら、必ず都市ごとに期間を確かめましょう。

東京は夏時間を行わないので、東京と相手の都市の時差は、相手が夏時間に入ると1時間縮みます(北半球の場合)。たとえば東京とニューヨークは、ふだんの14時間が、夏時間の期間は13時間です。

試験での注意点と、ミスを減らす習慣

  • 日付は時刻と一緒に動かす:計算結果が0時より前なら24を足して前日、24時以上なら24を引いて翌日にします。日付だけが違う選択肢が並ぶことがあるので、日付まで確かめます
  • 夏時間の判定は、都市ごとに行う:出発地と到着地で夏時間の期間が違う場合があります。片方だけ足してもう片方を忘れる、というミスが多いところです
  • 夏時間の期間は表の記載に従う:期間の定め方は国・地域によって異なるので、実際の問題では与えられた表を優先します
  • 答えの向きを確かめる:東京より東の都市(シドニー)は時刻が進み、西の都市(ニューヨーク、ロンドン)は遅れます。計算結果の向きがおかしいときは、符号を疑います

海外旅行実務の出題範囲には、本邦外の運送機関の利用料金や旅券の手続のほか、本邦及び主要国における出入国に必要な手続に関する実務なども含まれます(令和8年度の受験案内の科目の記載)。時差はそのなかでも、手順さえ身につければ確実に得点できる分野です。

授業・講座で学ぶには

総合旅行業務取扱管理者講座では、海外旅行実務の授業で時差を扱っています。4段の手順に沿って、標準時と夏時間、日付の処理を順に確かめられます。試験の概要や、国内旅行業務取扱管理者の合格者の科目免除については、総合旅行業務取扱管理者試験とはと科目免除の記事にまとめています。

まとめ

  • 時差は、出発地の時刻 → GMT → 到着地の時刻の順に、足し引きで解く
  • 東の都市は時差が大きく、西の都市は小さい。マイナスの時差を引くときは足し算になる
  • 問われた日付が夏時間の期間なら、その都市の時差に1を足す。期間は北米・ヨーロッパ・オーストラリアで異なり、南半球は日本の冬が夏時間になる
  • 北米とヨーロッパの切り替え日のずれで、数週間だけ時差が変わる。日付の前後は特に注意する
  • 計算結果の日付も忘れずに動かす(0時より前は前日、24時以上は翌日)

時差は、手順を一度身につければ得点源になります。過去問で、夏時間の期間と日付をまたぐパターンを何度か解いて慣れておきましょう。

参考にした情報

記事の内容は、記載の日付時点で確認した情報にもとづいています。最新の情報は各公式サイトでご確認ください。内容に誤りを見つけた場合は、お問い合わせからお知らせください。確認のうえ修正します。

2026年10月16日約9分で読めます
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