国際航空運賃の問題では、運賃の条件を一覧にした「運賃規則表」を読みこなせるかどうかが、そのまま得点に響きます。項目が多く、見慣れないうちは、どこに何が書いてあるのか分からなくなりがちです。
この記事では、まず実際の航空会社が公開している運賃規則のページで確認できる項目を整理します。そのうえで、計算の問と正誤の問で、規則表を「どの順番で、どの行から」引くとよいかを説明します。例に使う運賃表と金額は、すべてこの記事のための架空のものです。
運賃の額と条件は、航空会社・路線・運賃の種類・出発日によって違い、改定もされます。この記事の実際の規則は、2026年10月17日にANAの公開ページで確認した内容です。実際の旅行や試験では、問題に付く資料や航空会社の最新の規則を必ず確認してください。
結論:規則表は目的別に「見る行」を決めて引く
運賃規則表は、1つの運賃についての条件を縦に並べた表です。全部を頭から読むのではなく、解きたい問題の目的に合わせて、見る行を絞ります。
| 目的 | 見る行 | 分かること |
|---|---|---|
| この旅程に使える運賃か | 運賃の名称・予約クラス、旅行形態、経路規定、乗り換え | 往復か周回か、使える航空会社、乗り換えの回数 |
| 運賃表のどの額を使うか | 適用期間、曜日 | シーズンと曜日の区分を決める日付 |
| 運賃に何を足すか | 途中降機、追加運賃 | 途中降機の回数と1回あたりの料金 |
| 規則の記述が正しいか | 予約・発券、必要旅行日数、最長滞在、変更、払戻 | 期限・日数・手数料 |
海外旅行実務は、受験案内では「本邦外の運送機関の利用料金」などを扱う科目とされています(令和8年度 受験案内)。国際航空運賃はその中心にあたり、読者の多い国内旅行業務取扱管理者の合格者は、旅行業法令と国内旅行実務が免除になるため、約款と海外旅行実務の2科目に集中できます(免除の詳細は科目免除と科目合格の記事を参照)。
実際の運賃規則にはどんな項目があるか
ANAの国際線「運賃規則(オーストラリア)」のページでは、運賃の種類(Classic・Standard・Flex)と予約クラスごとに、次の項目が表になっています。確認できた項目名を、並んでいる順に示します。
| 項目 | ページの記載(要旨) |
|---|---|
| ご予約・航空券のご購入 | 予約の期限、購入(発券)の期限、空席待ちの扱い |
| 必要旅行日数 | その運賃を使うのに最低限必要な旅行の日数 |
| 最長滞在日数 | 滞在できる最長の期間 |
| 乗り換え | 乗り換えができる地域と回数 |
| 途中降機 | 途中降機ができる地点と回数、1回あたりの料金 |
| 経路規定 | 使える航空会社や区間の決まり |
| 結合可能運賃 | 別の運賃と組み合わせられるか、その場合の計算 |
| 予約変更/払戻/取消 | 変更の可否と手数料、出発前と出発後の払戻し |
試験の問題に付く規則表も、運賃の条件を項目ごとに並べた表です。項目の名前や並びは資料によって違うので、実際の問題では付いている資料の項目名で読み替えてください。以下では、上の項目を使って説明します。
実際の数字で読んでみる(ANAの例)
同じページの「Classic(予約クラス:Z)」では、次のように書かれています(2026年10月17日確認)。
- 予約期限:出発の14日前まで
- 必要旅行日数:2日
- 最長滞在日数:1年
- 途中降機:南西太平洋上の乗り換え地点で1回につき7,000円、往路・復路各1回
- 結合可能運賃:オーストラリア・ニュージーランド行きの同種の運賃間で、片道ずつの利用が可能。その場合、各往復運賃の半額ずつを合算
- 予約変更:不可。払戻・取消は、2026年4月1日出発分から、出発前の取消手数料が50,000円
同じ運賃でも、予約クラスが「P」だと予約期限は出発の21日前まで、「C/D」だと7日前(Cクラス)または14日前(Dクラス)までと、クラスごとに期限が違います。また、Standardは予約変更の手数料を払えば変更できる運賃になっています。運賃の名前が似ていても、条件は行ごとに違うので、問題で使う運賃の行を引き直す必要があります。
「結合可能運賃」の行にある「各往復運賃の半額ずつを合算」という書き方が、国際航空運賃の計算の基本です。運賃表に載っている額は往復の額なので、往路と復路を別々に半分にして足します。
運賃の計算の問で引く順番
計算の問では、次の順番で規則表を引くと、式の部品が1つずつそろいます。
- 使える運賃かを確かめる:旅行形態(往復・周回など)、経路規定、乗り換えの回数が、問題の旅程に合っているかを見ます
- 運賃表の額を決める:適用期間と曜日の行から、シーズンと曜日の区分を決める日付を調べ、運賃表の交わる額を読みます
- 半分にして足す:往路と復路を別々に、運賃表の額の2分の1にします
- 足すものを足す:途中降機の回数と料金、必要なら追加運賃を確かめて、半分にした額に足します
架空の運賃での計算例
次の架空の旅程で、4つの順番を確かめます。額はすべて架空です。
- 往路の運賃表の額(往復):30万円
- 復路の運賃表の額(往復):22万円
- 往路で途中降機を1回行う。規則表の途中降機は「1回につき8,000円」
- 乗り換えの回数は規則表の上限内で、経路規定にも合っている
計算は次のとおりです。
| 区分 | 計算 | 額 |
|---|---|---|
| 往路 | 30万円 × 1/2 | 15万円 |
| 復路 | 22万円 × 1/2 | 11万円 |
| 途中降機 | 1回 × 8,000円 | 8,000円 |
| 合計 | 15万円 + 11万円 + 8,000円 | 26万8,000円 |
途中降機の料金は、運賃表の額を半分にしたあとに足します。半分にする前の額に足してから割ると、結果が変わるので注意します。
正誤の問で引く行:記述の言葉から探す
正誤の問は、選択肢の記述に出てくる言葉から、見る行を決めます。
| 記述の話題 | 引く行 | 確かめること |
|---|---|---|
| 予約や発券の期限、空席待ち | 予約・発券 | 出発の何日前までか、予約の完了後何日以内か |
| 最も短い旅行・最も長い旅行 | 必要旅行日数、最長滞在 | 日数の数え方と、その運賃の上限 |
| 便や日付、経路を変えたい | 予約変更 | 変更できる運賃か、手数料はいくらか |
| 旅行をやめて払い戻したい | 払戻・取消 | 出発前と出発後で扱いと手数料が違う |
| 別の運賃と組み合わせたい | 結合可能運賃 | 同じ種類の運賃どうしか、半額ずつの合算か |
| 途中降機をしたい | 途中降機 | 回数と、1回あたりの料金の有無 |
ANAの例でも分かるように、払戻しや変更の扱いは「出発前」と「出発後」で分かれ、出発日によって手数料の額が変わる記載もあります。記述の日付や時点をよく読み、どの区分の話かを確かめてから、行を引きます。
試験でつまずきやすい点
- 運賃表の額は往復の額:片道の額と思い込むと、式が1つずれます。結合可能運賃の行の「各往復運賃の半額ずつ」を確かめます
- シーズンや曜日を決める日付を確かめる:運賃表のどの額を使うかは、何の日付で決めるかが規則表に書かれています。往路と復路で別の日付になることもあるので、適用期間と曜日の行で確かめます
- 日数は数え方を確かめる:必要旅行日数と最長滞在日数は、どこから何日と数えるのかを、その規則で確かめます
- 似た運賃の条件を混ぜない:同じ会社の運賃でも、予約クラスごとに予約期限や変更の可否が違います
まとめ
国際航空運賃の規則表は、項目の並びを知っておけば、何をどの行から引けばよいかが見えてきます。
運賃規則表は、「使えるか」「どの額か」「何を足すか」「規則の正誤」の目的別に見る行を決めて引きます。額は往復の額の半分ずつを足し、途中降機などはその後に足します。数字は運賃ごとに違うので、覚えるのは「どの行に何が書いてあるか」です。
運賃の計算と規則の読み方を順に練習したい方は、総合旅行業務取扱管理者講座の講座ページで学習内容を確認できます。試験全体の配点や合格基準は、試験の基本の記事にまとめています。
よくある質問
Q. 運賃規則表は暗記が必要ですか。 A. 試験では規則表が資料として付くので、数字を覚える必要はありません。覚えるのは、どの行に何が書いてあるかと、引く順番です。
Q. 運賃表の額は往路の額ですか。 A. 運賃表の額は往復の額です。往路と復路でそれぞれ半分にして足します。
Q. 途中降機の料金は半分にしますか。 A. 半分にするのは運賃表の額です。途中降機の料金は、半分にした額に足します。
Q. 実際の航空券の規則と試験の規則表は同じですか。 A. 項目は似ていますが、額や条件は運賃ごと、年度ごとに違います。試験では、問題に付く資料の規則に従って解きます。

