技術士第一次試験の合格率は、**令和7年度で全体33.8%、建設部門33.1%**でした(どちらも受験者に対する合格率)。おおむね3人に1人が合格する水準ですが、建設部門だけを見ても、年度によって28.9%から41.2%まで動いています。この記事では、日本技術士会が公表している統計から、合格率の読み方と難易度の考え方を整理します。
技術士一次試験の合格率はどれくらい?
日本技術士会の統計(令和7年度)では、全部門の結果は次のとおりです。
同じ年度の結果でも、何を分母にするかで数字が変わります。申込みをしても当日受けなかった人がいるため、申込者に対する合格率(25.3%)は、受験者に対する合格率(33.8%)より低くなります。
ネットの記事や過去の資料では、2つの合格率が混ざって紹介されていることがあります。数字を見るときは「受験者に対する」か「申込者に対する」かを必ず確かめてください。この記事は、特に断らない限り受験者に対する合格率で書いています。
建設部門の合格率の推移(令和3〜7年度)
建設部門(技術部門番号09)の結果を、年度別の統計から並べました。
受験者数は毎年8,500〜9,000人前後で、ほぼ横ばいです。一方で合格者数は2,483人から3,661人まで動いており、合格率の差はおもに合格者数の違いから生まれています。
この5年間の範囲では、建設部門は28.9〜41.2%の間を推移しました。1年だけの数字で「難しい」「易しい」と決めつけず、複数年の幅で見るのが安全です。
全体の合格率の推移(平成29年度〜令和7年度)
全部門の合計は、日本技術士会が昭和59年度から通しの一覧を公開しています。直近の年度を抜き出すと、次のとおりです。
一覧によると、昭和59年度から令和7年度までの合計は、受験者623,840人に対して合格者241,545人で、受験者に対する合格率は38.7%です。令和3年度・6年度・7年度は、これより低い水準でした。
部門によって合格率は違う
令和7年度の統計では、部門ごとの合格率にも幅があります。建設部門(33.1%)は、全体(33.8%)とほぼ同じ水準でした。
建設部門は、全20部門のなかで受験者数が最も多い部門で、全体の受験者の半分ほど(8,905人/17,013人)を占めます。受験者の数が多いぶん、全体の合格率とほぼ重なる傾向があります。
合格率の数字をどう受け止めるか
合格率を見て難しさを判断するときは、次の点に注意します。
- 年度で変わる: 建設部門だけでも5年間で12ポイント以上の差があります。「今年は何%だったから」と予想に使うのは避けます
- 受験者の層が幅広い: 受験資格に年齢・学歴・実務経験の制限はありません。令和7年度の受験者は20代が48.1%で、平均年齢は32.9歳でした。大学在学中の人から実務経験の長い人まで同じ試験を受けています
- 点数の取り方で決まる: 合格基準は、基礎・適性・専門の各科目で50%以上です(令和8年度の合否決定基準。文部科学省)。合計点の基準はないので、苦手な1科目だけで不合格になります
試験の形や合格基準の詳しい数字は、技術士第一次試験とは? 科目・時間・配点・合格基準を建設部門で解説で整理しています。日程や手数料は試験日程と申込みの記事をご覧ください。
約3人に1人という合格率の背景には、各科目で50%以上という基準があります。1科目だけ得意でも合格できない仕組みなので、準備の偏りがないかを確かめることが大切です。
合格率を踏まえた準備の考え方
合格率が3割台ということは、準備が足りない科目があると落ちやすい試験だということです。建設部門の受験者は、次の順で考えると抜けが出にくくなります。
- 3科目の配点を確かめる: 基礎15点・適性15点・専門50点。専門科目は1問2点で、25問を選んで解答します
- 各科目の「50%ライン」から逆算する: 基礎・適性は8問以上、専門は13問以上の正解が目安です
- 選べる科目は得意分野に寄せる: 専門科目は35問から25問を選べます。ただし基礎科目は5つの群から3問ずつ選ぶため、群を丸ごと捨てることはできません
- 公開されている過去問題で形に慣れる: 日本技術士会が過去問題を公開しています。出題の形式や時間配分の確認に使えます
建設部門の専門科目まで一通り学べる技術士第一次試験(建設部門)講座では、基礎・適性・専門の3科目を授業と確認問題で学べます。料金や授業の内容は講座ページで確認できます。
よくある質問
Q. 技術士一次試験の合格率は何%ですか?
令和7年度は全体で33.8%、建設部門で33.1%でした(受験者に対する合格率。日本技術士会の統計)。申込者に対する合格率は全体で25.3%です。
Q. 合格率が低い年は、試験が難しかったのですか?
統計からは分かりません。合格率は受験者の準備の状況や問題の内容など、いくつもの要因で変わります。年度ごとの数字は参考程度にして、各科目で50%以上を取ることに集中するのが確実です。
Q. 最新の合格率はどこで確認できますか?
日本技術士会の「統計情報」のページに、年度ごとの結果のPDFが公開されています。新しい年度の結果は、そのページで確かめてください。
まとめ
- 令和7年度の合格率は、全体33.8%・建設部門33.1%(受験者に対する合格率)
- 建設部門は令和3〜7年度で28.9〜41.2%。年度による差が大きい
- 受験者に対する合格率と申込者に対する合格率は分母が違う。比べるときは定義をそろえる
- 合格基準は3科目それぞれ50%以上。合格率より、科目ごとの得点の準備が大切
数字は日本技術士会が公表した統計にもとづき、2026年10月26日時点で確認したものです。最新の結果は日本技術士会のサイトでご確認ください。