技術士第一次試験の合格基準は、基礎科目・適性科目・専門科目のそれぞれで50%以上の得点を取ることです。3科目の合計点で判定する仕組みではないため、「何問取れば受かるのか」は科目ごとに考える必要があります。この記事では、令和8年度の基準にもとづいて、科目ごとの必要な正解数と、足切りにかからないための考え方を整理します。試験の全体像は技術士第一次試験とは? 科目・時間・配点・合格基準を建設部門で解説にまとめています。
技術士一次試験の合格基準は「各科目50%以上」
合格基準は、文部科学省がその年度の「技術士試験合否決定基準」で定めています。令和8年度の第一次試験は、次の3つです。
3つの基準は「かつ」の関係で、すべてを満たしたときに合格です。公表されている基準には総得点についての項目がなく、合計点が高いことを理由に合格になる仕組みは書かれていません。
「足切り」という言葉が使われますが、この試験では各科目の50%が、そのまま合格の条件です。1科目でも下回れば、ほかの科目の点数に関係なく不合格になります。
何問取ればよい? 科目ごとの必要な正解数
配点は、実施大綱で基礎科目15点満点、適性科目15点満点、専門科目50点満点と定められています。問題数は、日本技術士会が公開している令和7年度の問題の表紙で確かめました。基礎科目は5つの群から3問ずつ計15問、適性科目は15問、専門科目(建設部門)は35問から25問を選んで解答します。
1問あたりの点数は、満点を解答する問題数で割ると求められます。基礎と適性は15点÷15問で1問1点、専門は50点÷25問で1問2点にあたります。この計算から、必要な正解数は次のようになります。
基礎と適性は、15問の半分が7.5問なので、8問以上の正解で50%を超えます。専門は1問2点なので25点ちょうどは取れず、13問正解の26点が最初に50%を超えるラインです。12問正解だと24点で、48%にとどまります。
上の正解数は、満点と問題数から計算した目安です。合格基準は年度ごとに決まるので、受験する年度の合否決定基準を、必ず文部科学省のページで確かめてください。
合計点で考えると危ない理由
3科目の満点は合わせて80点です。合計で見ると「80点の半分の40点」を目指したくなりますが、この基準は合否に使われません。例で確かめます。
Bさんの合計は52点で、Cさんの合計は42点です。合計点ではBさんが10点上回っていますが、専門科目が24点で、50%の25点に届いていないため不合格です。Cさんは各科目でぎりぎり50%を超えており、合格になります。点数の高さではなく、3科目すべてがラインを超えているかが判定の中心です。(BさんとCさんは、仕組みを説明するために作った架空の例です。)
選択式の科目で気をつけたいこと
基礎科目と専門科目は、選んで解答する形式です。令和7年度の問題の表紙には、次のように書かれています。
- 基礎科目: 1群〜5群のすべての問題群から、それぞれ3問ずつ、計15問を選んで解答する(各群は全6問)
- 専門科目(建設部門): 35問のうち25問を選んで解答する
- 適性科目: 15問すべてに解答する
基礎科目は、群ごとに3問ずつ選ぶ決まりです。ある群の問題が全部苦手でも、その群から3問は選んで解答します。群を丸ごと捨てるのではなく、どの群でも3問のうち1〜2問は取れるようにしておくのが基本です。
専門科目は10問を捨てられるので、得意な分野を中心に25問を選べます。13問以上の正解が必要なので、選んだ25問の約半分に正解できればよい計算です。
50%を取るための科目別の考え方
科目ごとに、どこで点を積み上げるかを整理します。
適性科目は、技術士法第4章(技術士等の義務)の条文がそのまま問われます。条文の言葉をそのまま覚えれば得点になる科目なので、満点に近い点を狙えます。基礎科目は15点満点で1問が1点分と重いので、1問の落とし方が合否に響きます。
専門科目は配点が大きく、50点満点です。そのため、試験全体の勉強時間のうち、専門科目に多くの時間を割くのが自然です。ただし、専門だけが得意でも、基礎や適性が50%未満なら不合格になる点は変わりません。
合格基準は年度ごとに確かめる
合格基準は、文部科学省が年度ごとに決めて公表します。この記事の数字は令和8年度の合否決定基準にもとづいています。令和8年度の試験は2026年11月22日(日)に実施されます。ほかの年度の基準や、受験した人の体験談の点数をそのまま使うのではなく、受験する年度の基準を確かめる習慣をつけておくと安心です。
試験の結果は、令和8年度の案内によると、令和9年2月に合格者の氏名を官報で公告し、本人に合格証を送付するとされています。合格率の推移は技術士一次試験の合格率の推移で整理しています。
講座で3科目の土台をつくる
技術士第一次試験(建設部門)講座では、基礎科目・適性科目と、建設部門の専門科目(土質及び基礎、構造力学、コンクリート、水理学、都市計画、施工計画など)を授業で学べます。各科目で50%を超えることを目標に、苦手な科目から手をつけると、全体の勉強の効率が上がります。基礎科目と適性科目は全部門共通ですが、専門科目の授業は建設部門だけが対象です。ほかの部門の専門科目には対応していません。
料金は月額 2,484円〜(年額プラン29,800円・一括払いの月あたり。月額プランは3,980円。いずれも税込)です。
よくある質問
Q. 合計で何点取れば合格ですか。
合計点の基準はありません。基礎・適性・専門の各科目で50%以上が必要です(令和8年度の合否決定基準)。
Q. 1科目だけ50%に届かなかったら、どうなりますか。
ほかの科目が高得点でも不合格になります。3つの基準をすべて満たす必要があります。
Q. 専門科目は何問正解すれば50%を超えますか。
建設部門は1問2点で50点満点なので、13問正解(26点)が最初に50%を超えるラインです。12問では24点で、50%に届きません。
Q. 合格基準は毎年同じですか。
文部科学省が年度ごとに決めます。受験する年度の合否決定基準を、文部科学省のページで確かめてください。
まとめ
- 合格基準は、基礎・適性・専門の各科目で50%以上(令和8年度)
- 合計点の基準はなく、1科目でも下回れば不合格
- 正解数の目安は、基礎8問以上、適性8問以上、専門13問以上
- 基準は年度ごとに決まる。受験する年度の公式の基準で確かめる
3科目すべてで50%を超えることが、合格の条件です。まず自分の苦手な科目を見つけて、そこから対策を始めましょう。