1級管工事施工管理技士の第一次検定は、受検する年度の末日に19歳以上であれば、学歴や実務経験に関係なく受けられます。令和6年度に制度が変わり、「実務経験を積んでから受ける試験」から「若いうちに第一次検定だけ先に受けられる試験」になりました。
この記事では、第一次検定と第二次検定それぞれの受検資格、令和10年度まで続く経過措置、申込み前に気をつけたい点を、条文と公式資料で確認できた範囲でまとめます。年度ごとの細かな運用は変わることがあるので、申込み前に必ずその年度の受検の手引で確かめてください。
第一次検定の受検資格は? 19歳以上なら誰でも受けられる
結論から言うと、1級の第一次検定の受検資格は年齢だけです。施工技術検定規則第4条第1項に、「当該第一次検定が行われる日の属する年度の末日における年齢が十九歳以上の者」と定められています。
全国建設研修センターの令和8年度の案内では、「令和8年度中における年齢が19歳以上の者(平成20年4月1日に生まれた者も含む)」とされています。誕生日が4月1日の人も、年度末の時点で19歳に達しているものとして扱われる、という意味です。
判定の基準は「試験日」ではなく「その年度の末日」です。試験日の時点でまだ18歳でも、同じ年度の3月31日までに19歳になる人は受検できます。
旧制度との違い
令和5年度までは、第一次検定にも学歴ごとの実務経験年数が必要でした。国土交通省の資料では、旧制度の例として次のような条件が示されています(主なものだけの抜粋です)。
新制度では、この条件がすべてなくなりました。ネットの古い記事に「実務経験が○年必要」と書かれていても、それは令和5年度までの第一次検定の話です。
第二次検定の受検資格 — 第一次検定の合格後に実務経験が必要
第一次検定に合格しても、すぐに技士になれるわけではありません。施工管理技士として登録される第二次検定には、第一次検定に合格した後の実務経験が求められます。施工技術検定規則第5条第1項が定めている主な条件は次のとおりです。
ここに出てくる用語を整理します。
- 特定実務経験:国土交通大臣が定める一定規模以上の工事で、監理技術者・主任技術者の指導のもと、または自ら監理技術者・主任技術者として行った経験です。金額の基準や、発注者側の経験は含まれないといった細かい扱いは、国土交通省の公表資料と受検の手引で確かめてください。
- 監理技術者補佐:建設業法第26条第3項第2号に出てくる、監理技術者の職務を補佐する者のことです。監理技術者と主任技術者の違いは別の記事で整理します。
実務経験は「第一次検定に合格した後」の期間で数えるのが新制度の考え方です。令和6年度以降に第一次検定に受かった場合、その合格日より前の経験は、原則として新受検資格の年数には入りません。実際に何を実務経験として申請できるかは、受検の手引と全国建設研修センターで確認してください。
実務経験の対象になる工事
国土交通省の資料では、新受検資格の実務経験は、原則として検定種目に対応する建設業の種類(業種)の工事の経験とされています。管工事施工管理の場合は、管工事業に該当する工事です。実務経験の証明は、原則として工事ごとに、工事請負者の代表者や監理技術者などが行います。
令和10年度までの経過措置 — 旧受検資格でも受けられる
令和6年度から令和10年度までの5年間は経過措置の期間です。全国建設研修センターの案内には、第二次検定について「令和6年度からの新受検資格」と「令和5年度までの旧受検資格」のどちらでも受検できると書かれています。
同センターの案内には、申込締切後に検定区分や新旧の受検資格を変更することはできないとも書かれています。旧受検資格を選ぶ人は、申込用紙の購入や、直近の受検実績の有無によるインターネットでの再受検申込など、手順が異なるので、受検の手引を読んでから申し込みましょう。
旧受検資格は令和10年度までの経過措置です。第一次検定を受ける段階の人は、新受検資格(第一次検定合格後の実務経験)を前提に計画を立てるのが基本です。
申込み前に確認したい3つのこと
- 第一次検定だけで申し込むか、第二次検定まで続けて申し込むか:区分を決めて申し込みます。第一次検定だけで申し込んだ場合、同じ年度の第二次検定は受けられません(日程と申込みの詳細は試験日程と申込みの記事で整理しています)。
- その年度の受検の手引:年齢の基準日、必要書類、実務経験の証明方法は年度ごとに案内されます。
- 実務経験の記録:将来の第二次検定に備えて、従事した工事の期間・内容・立場を日ごろから記録しておくと、証明のときに困りません。
第一次検定に合格すると何ができる?
第一次検定の合格者は「1級管工事施工管理技士補」の称号を名乗れます(施行令第40条)。第二次検定に合格すると「1級管工事施工管理技士」となります。技士補は、第一次検定の合格後すぐに、第二次検定の実務経験を積みながら現場で力を発揮するための入口と考えるとわかりやすいでしょう。
学習の進め方 — 若いうちに第一次検定から
受検資格が年齢だけになったことで、実務経験が浅い人も、先に第一次検定の知識を固められるようになりました。範囲は、室内環境・流体・熱力学などの基礎、空気調和設備、給排水衛生設備、施工管理法、法規と広く、とくに1級は応用能力問題があります。1級管工事施工管理技士講座では、第一次検定の範囲を授業で順に学べます。第二次検定(経験記述・記述式)は講座の範囲外です。
自分の受検資格の状況と、第一次検定の範囲を照らし合わせて、まずは何を勉強するかを決めるところから始めましょう。
よくある質問
Q. 2級に合格していなくても、1級の第一次検定を受けられますか?
受けられます。令和6年度から、1級の第一次検定は2級の合格を必要とせず、年度末に19歳以上であれば受検できます。
Q. 実務経験がまったくなくても申し込めますか?
第一次検定は申し込めます。実務経験が必要になるのは、第一次検定に合格した後の第二次検定からです。
Q. 旧制度で必要だった学歴ごとの実務経験は、今も必要ですか?
第一次検定には不要です。第二次検定では令和10年度まで旧受検資格も選べますが、第一次検定の現行の要件ではありません。
Q. 受検資格が変わったと聞きましたが、いつからですか?
令和6年度の技術検定からです。最新の運用は、全国建設研修センターのページとその年度の受検の手引で確認してください。
まとめ
- 1級管工事施工管理技士の第一次検定は、受検する年度の末日に19歳以上であれば、学歴・実務経験を問わず受けられる
- 第二次検定は、第一次検定に合格した後の実務経験(5年以上、特定実務経験を含む3年以上、監理技術者補佐1年以上など)が必要
- 令和10年度までは、第二次検定を新旧どちらの受検資格でも受けられる経過措置がある
- 申込み後は検定区分や新旧の受検資格を変更できない。必ずその年度の受検の手引で確認する