「行政書士試験は独学で受かるのだろうか。それとも講座にお金をかけたほうがいいのか」。学習を始める前に、多くの方がここで迷います。
この記事では、独学と通信講座を費用・教材・質問のしやすさの3つの面から並べて比べます。どちらが優れているかを決める記事ではなく、ご自身の状況に合う選び方を見つけるための整理です。
料金や条件は変わることがあります。この記事は2026年10月16日時点で各社の公式サイトを確認した内容です。申込み前に、必ず各社の公式サイトで最新の情報をご確認ください。
まず共通でかかる費用: 受験手数料
独学でも講座でも、試験を受けるには受験手数料がかかります。行政書士試験研究センターの案内(2026年10月16日確認)では、令和8年度の受験手数料は10,400円です。試験日は2026年11月8日(日)で、インターネットでの申込みは8月24日までに締め切られています。
これから学習を始める方にとっては、2027年度(令和9年度)の受験が現実的な目標になります。手数料や日程は年度ごとに案内が出るので、最新の情報は試験研究センターの公式サイトで確認してください。試験の全体像は行政書士試験とは、申込みの流れは申込み方法と試験当日の流れで整理しています。
独学で進める場合
独学は、市販の参考書や問題集、公開されている過去問などを自分で選んで進める方法です。
費用について
参考書や問題集の価格は出版社や版によって異なり、この記事では具体的な金額を挙げません。書店や出版社のサイトで確認してください。講座の受講料と比べると、一般に初期費用を抑えやすい進め方です。
独学で自分が担うこと
費用の差は、そのまま「自分で担う作業の差」になります。行政書士試験では、特に次の点が負担になりやすいです。
- どの科目から、どの順番で学ぶかという計画を自分で立てる(行政法と民法が大きな割合を占めるので、配点の組み立ては科目別の配点と得点の組み立て方が参考になります)
- 分からない条文や判例の考え方を、自分で調べて解決する
- 記述式問題の答案を、自分で見直して直す(記述式問題の出題形式と書き方)
- 基礎知識の基準点(足切り)を意識した対策を自分で考える(基礎知識の基準点を避けるには)
独学が向くかどうかは、法律の学習経験があるか、自分で計画を立てて続けられるかで大きく変わります。
通信講座を使う場合
通信講座は、動画講義や問題集などがひとまとまりになったものを使う方法です。公式サイトで確認できた3社と、資格のエアポートを並べます。
2026年10月16日時点で各社の公式サイトを確認した内容です。最新の情報は各社の公式サイトでご確認ください。公式サイトで確認できなかった項目は「公式サイトに記載なし」としています。各社とも2027年合格目標などの年度つき・キャンペーンつきの表示があるため、割引後の金額は載せず、通常の表示のある金額を中心に書いています。
| 項目 | スタディング | ユーキャン | アガルート | 資格のエアポート |
|---|---|---|---|---|
| 料金 | 34,980円〜59,400円(税込)。コースにより異なる(ミニマム/スタンダード/コンプリートなど) | 64,000円(一括)。分割は4,970円×13回(総額64,610円)。教材費・指導費・消費税を含む | 入門カリキュラム フル295,020円・ライト205,920円(税込。期間限定10%OFF価格の表示) | 月額・年額のサブスクリプション。金額は講座ページで確認 |
| 受講・視聴期間 | 公式サイトに記載なし(2027年度合格目標との表示) | 学習期間の目安は6か月。受講開始から試験月まで6か月未満の場合は次年度の試験まで指導サポートが使える | 公式サイトに記載なし(確認したページ) | 契約している期間 |
| 教材の形式 | 動画・音声の講義、WEBテキスト。コースにより冊子テキスト、過去問、記述式の解法講座なども | 動画・音声ガイド、デジタルテキスト、WEBテスト。スケジュール冊子が届く | 公式サイトに記載なし(確認したページ) | 1本ごとの授業動画(301本)、確認問題 |
| 質問サポート | 上位コースに学習Q&Aチケットが付属。ミニマム・スタンダードは1枚2,000円から追加購入 | メールまたは郵送での質問。添削指導は全7回 | 公式サイトに記載なし(確認したページ) | AI講師トーレスへの質問(毎月の回数つき) |
資格のエアポートは月額・年額のサブスクリプション型で、他社の「講座を一括で購入する」形とは料金の仕組みが違います。そのため、総額の単純な比較はできません。短期間だけ使うなら月額、じっくり進めるなら年額、というように、使う期間によって総額が変わります。
表からわかる違いの読み方
- 支払い方: 一括で購入するか、期間に応じて払い続けるか。講座の料金は、コース内容(過去問、記述式対策、模試の有無など)で大きく変わります
- 質問の形: 回数券のような形、メールでの質問、AIが答える仕組みなど、各社で異なります。「その場ですぐ聞きたい」のか「人に確認したい」のかで選びます
- 教材の形: 紙の冊子がつくか、ペーパーレスかも違います。紙に書き込んで覚えたい人は、冊子の有無を確認してください
向いている人の目安
優劣ではなく、状況ごとの目安です。
| こんな人 | 考えやすい選び方 |
|---|---|
| 法律を学んだ経験があり、条文の読み方に慣れている | 独学でも進めやすい。弱点の演習に時間を使える |
| 費用をできるだけ抑えたい | 独学、または比較的低めの料金のコース、短期間だけ使える料金体系を選ぶ |
| 法律が初めてで、何から手をつけるか分からない | 順番が決まっている講座だと迷いにくい |
| 記述式の答案を見てもらいたい | 添削指導や記述式の講座があるか、公式サイトで確認する |
| 疑問が出ると止まってしまう | 質問サポートの形(人かAIか、回数や追加料金)を比べる |
| 通勤や休憩のすきま時間で学びたい | スマートフォンで動画と問題が完結する講座が合う |
| 紙の参考書に書き込んで学びたい | 独学で参考書を使うか、冊子つきのコースを選ぶ |
「独学か講座か」の二択でなくても構いません。たとえば、参考書で全体を一度読み、苦手な分野だけ講座の動画で補う、という組み合わせもあります。
資格のエアポートに合わない人もいます
自社のサービスも同じ基準で書いておきます。資格のエアポートの行政書士講座は、1本ごとの授業動画とAI講師トーレスへの質問で進める形です。そのため、次のような方にはあまり向きません。
- 紙の教材を手元に置いて学びたい方
- 質問や答案の添削を、必ず人に対して行いたい方
- 一度の支払いで、期間を気にせず長く手元に置いておきたい方
一方、授業動画で全体像をつかみ、疑問をその場でトーレスに聞きながら進めたい方には、使いやすい形です。講座は現在、販売準備中です。内容や開始時期は行政書士講座のページで確認できます。
選ぶ前にやっておきたいこと
どの方法を選ぶにしても、次の3つを先に済ませると失敗が減ります。
- 受験する年度を決める: 試験は年1回です。受験年度を決めると、学習に使える期間が見え、期間課金か一括かの判断もしやすくなります
- 自分の学習時間を見積もる: 平日と休日にどれだけ確保できるかを書き出します。直前期の過ごし方は試験直前1か月の過ごし方も参考になります
- 公式サイトで最新条件を確認する: 料金、期間、質問サポートの範囲は変更されることがあります。特に期間限定の割引があるときは、適用条件と期限を確かめてください
まとめ
独学と通信講座のどちらかが正解、ということはありません。費用を抑えて自分のペースで進めたい人は独学、計画づくりや疑問の解決を任せたい人は講座、と考えると選びやすくなります。
- 受験手数料10,400円(令和8年度)は、どちらの場合も別にかかる
- 講座は、料金の仕組み、教材の形式、質問サポートが各社で異なる。表の項目を自分の条件と照らして選ぶ
- 最終的な条件は、各社と行政書士試験研究センターの公式サイトで確認する

