第二種衛生管理者の関係法令(有害業務に係るものを除く)は、数字と条件の組合せを制度ごとに整理して覚えるのが対策の中心です。10問・100点の科目で、合格には4問以上(40点以上)が必要です。
この記事では、関係法令で問われやすい数字を、e-Gov法令検索で条文を確認したうえで表にまとめ、「どの順番で覚えるか」を示します(条文の確認日は2026年11月5日。受験する年度の最新の内容は公式の案内で確かめてください)。
関係法令は何を覚える科目か
安全衛生技術試験協会の案内では、第二種衛生管理者の試験は関係法令・労働衛生・労働生理の3科目で、どれも10問・100点です。合格基準は科目ごとに40%以上、かつ合計60%以上です。
関係法令で出るのは、主に労働安全衛生法とその施行令・規則、そして労働基準法の内容です。文章を丸ごと暗記する科目ではなく、次のような「型」を覚える科目です。
- だれを置くか(衛生管理者・産業医など)と、その人数・資格・期限
- 何をいつまでにするか(会議・巡視・健康診断・面接指導)
- 労働時間・休憩・休暇の数字(労働基準法)
この「型」ごとに数字をまとめておくと、選択肢の数字が1つ違うだけの引っかけに強くなります。
同じ「50人」でも、制度ごとに意味が違います。数字だけを単独で覚えず、「どの制度の」50人かをセットにして覚えます。
覚える順番は4つのまとまり
関係法令は、次の順番で進めると理解がつながります。
①で「だれが責任者か」を決め、②でその人たちが何をするかを押さえ、③で労働者の健康をどう守るかを学び、④で働き方の基本ルールを固める流れです。
① 体制:衛生管理者と産業医の選任
常時50人以上の労働者を使う事業場では、衛生管理者と産業医を選任します(施行令第4条・第5条)。人数は事業場ごとに数えます。
衛生管理者の選任は、労働安全衛生規則第7条で次のように決まっています。
選任人数は事業場の規模の6つの段で決まります。
条文は「以下」「超え」で書かれていて、「以下」は境目の数を含み、「超え」は含みません。200人ちょうどは1人以上、201人から2人以上です。
産業医の選任は規則第13条で、期限は衛生管理者と同じ14日以内です。常時1,000人以上の労働者を使う事業場では専属が必要で、常時3,000人を超える事業場では2人以上を選任します。
衛生管理者は「3,000人を超える」で6人、産業医は「3,000人を超える」で2人以上。同じ境目の数字でも、人数が違います。表に並べて比べて覚えます。
② 会議と巡視:頻度の数字を並べる
次に、選任された人たちの仕事の頻度を覚えます。
産業医の巡視は、事業者から一定の情報の提供を受けていて事業者の同意があれば、少なくとも2か月に1回にできます(規則第15条)。例外つきなので、「毎月1回、条件を満たせば2か月に1回」とセットで覚えます。
覚え方のコツは、頻度を短い順に並べることです。衛生管理者は週1回、産業医と衛生委員会は月1回、議事録の保存は3年と並べると、数字の取り違えが減ります。
③ 健康診断と面接指導:対象と数字を区別する
健康診断は、タイミングが違う2つを区別します。
ここで問われやすいのは、「雇入時の省略は3か月以内の健診結果の提出が条件」「定期健診の省略は医師の判断」という違いです。省略の条件が、雇入時と定期で別の考え方になっています。
長時間労働者の面接指導は、規則第52条の2・第52条の3で次のとおり決まっています。
- 対象は、休憩時間を除き1週間当たり40時間を超えて労働させた時間が、1か月当たり80時間を超え、かつ疲労の蓄積が認められる労働者
- 超えた時間の算定は、毎月1回以上、一定の期日を定めて行う
- 80時間を超えた労働者には、速やかに超えた時間の情報を通知する
- 面接指導は、労働者の申出により行う。申出があったら遅滞なく行う
「80時間」「かつ疲労の蓄積」「申出により」の3つが、選択肢で入れ替えられやすい部分です。
④ 労働基準法:基本の数字を押さえる
労働基準法は、生活に身近なぶん、数字を逆にした誤りの選択肢が出やすい分野です。
休憩は「6時間ちょうど」では45分は不要で、「6時間を超える」場合に必要です。「超える」「以上」の言葉の違いを、必ず条文の表現どおりに確認する習慣をつけます。
年次有給休暇は、付与日数の表(継続勤務年数ごとの日数)や、使用者が年5日を取得させる義務など、細かい数字が多い分野です。この記事では扱いきれないので、条文と授業で表を作って確認してください。
練習の進め方:数字を「入れ替えて」確かめる
数字の論点は、読むだけでは定着しにくいので、次の方法で練習します。
- 表を自分で書く:制度、数字、根拠の3列で書き、見ないで再現する
- 数字を1つ入れ替えて、誤りを説明する:「衛生管理者の巡視は毎月1回」を誤りと判断し、正しい数字を言う
- 確認問題で間違えた数字だけ表に足す:間違いの傾向が、そのまま自分用の弱点表になる
- 「超える」「以上」「以下」に印をつける:境目の言葉は、条文どおりに読む
出題の形式には、正しいものを選ぶ形と誤りを選ぶ形があります。どちらでも、選択肢の数字・期限・対象を表と照合する作業は同じです。
授業・講座での学び方
第二種衛生管理者講座は、有害業務を除く関係法令・労働衛生・労働生理を、52本の授業で学べる構成です。関係法令は選任、会議、健康診断、労働基準法の順に授業が並んでいるので、上の4つのまとまりに沿って進められます。
分からない点は、AI講師のトーレスに毎月50回まで質問できます。料金は月額2,484円〜(年額プラン29,800円・一括払いの月あたり。月額プランは3,980円。いずれも税込)で、ログインしなくても購入できます。紙の教材はないので、紙で学びたい人には向きません。最新の内容と料金は講座ページで確認してください。
合格点の考え方は第二種衛生管理者の合格点、学習計画は第二種衛生管理者の勉強時間と独学の進め方にまとめています。
よくある質問
Q. 関係法令は暗記だけで対応できますか。
数字の暗記が中心ですが、「どの制度の数字か」「以上か超えか」まで理解して覚える必要があります。表で制度ごとに整理すると、暗記量を減らせます。
Q. 衛生管理者と産業医の数字は同じですか。
同じ数字と違う数字があります。どちらも常時50人以上で選任し、選任の期限は14日以内ですが、人数の段や専属の条件、巡視の頻度は異なります。
Q. 法改正は気にしたほうがよいですか。
気にしてください。条文は改正されることがあるため、受験する年度に近い時期の教材や公式の案内で、最新の内容かどうかを確認しておくと安心です。
まとめ
- 関係法令は数字と条件の組合せを制度ごとに整理する科目。足切りは4問
- 覚える順番は、体制→会議と巡視→健康診断と面接指導→労働基準法
- 衛生管理者の巡視は週1回、産業医と衛生委員会は月1回、議事録は3年保存
- 面接指導は「80時間超かつ疲労の蓄積、申出により」。「超える」「以上」は条文どおりに読む
試験の日程や手数料、出題の基準は、受験する年度の協会の公式サイトで確認してください。