第一種衛生管理者の難易度は、数字だけを見れば「受験者の半分弱が受かる試験」です。安全衛生技術試験協会の統計では、令和7年度の合格率は**46.8%**でした。ただし、受かりやすいかどうかは合格率だけでは決まりません。第一種には、**有害業務の2範囲(合計160点)**と、範囲ごとに40%を割ると不合格になる足切りがあります。
この記事では、協会の公式ページで確かめた数字をもとに、第一種が「第二種より難しい」と言われる理由と、どこで落ちやすいのかを整理します。合格率そのものの読み方は衛生管理者試験の合格率の記事、勉強計画は勉強時間と独学の進め方の記事で詳しく書いています。
第一種衛生管理者の難易度を数字で見ると
まず、公式ページで確かめられる事実を並べます(2026年11月2日確認)。
協会の統計ページに載っているのは、この調査時点では令和7年度の値だけでした。そのため、ここでは年度ごとの推移は書きません。「毎年このくらい」と決めつけず、受験する年度に最新の値を確かめてください。
合格率が約5割という数字は、「簡単だから半分受かる」という意味ではありません。合格者数に定員はなく、基準を満たした人がそれだけいた、というだけの数字です。
難しいと言われる3つの理由
理由1 範囲が5つに分かれていて、第二種より2つ多い
第一種の出題は次の5つの範囲です。
有害業務の2範囲は、1問8点です。10問ずつで計160点、満点400点のうち4割を占めます。ここは有機溶剤・特定化学物質・粉じん・酸素欠乏・電離放射線など、物質や作業ごとの規則と健康障害を覚える分野で、勉強の量が増えます。
理由2 範囲ごとの足切りがある
合格基準は「範囲ごとに40%以上、かつ合計60%以上」です。公式の基準を満点に当てはめると、最低ラインは次のようになります(計算はこの記事のものです)。
7問で70点の範囲は1問10点なので、2問(20点)では28点に届かず、3問(30点)正解で足切りを回避できます。10問で80点の範囲は1問8点で、3問(24点)では足りず4問(32点)が必要です。各範囲の「問数」と「点数」を見比べて、自分の最低ラインを確かめておくと安心です。
合計が6割を超えていても、1つの範囲が4割に届かなければ不合格です。得意な範囲で稼いでも、苦手な範囲を捨てることはできません。
理由3 有害業務は「覚える量」が多く、直前に詰めにくい
有害業務の範囲は、考えて解く問題よりも、規則ごとの数字や物質名の組合せを問う形が中心になりがちです。たとえば、同じ「検査・測定・記録」でも、規則によって頻度や保存期間が違います。ここを直前に一気に詰め込むと、混ざって取り違えやすくなります。
対策は、規則ごとに同じ観点(対象・設備・測定・健康診断・記録)で比べる表を自分で作ることです。違いを表で整理すると、取り違えが減ります。
第二種と比べて、何が増えるのか
第二種は有害業務の2範囲がなく、3範囲・30問・300点の試験です。第一種はそこに有害業務の20問・160点が足されます。第二種の免許を持つ人が第一種を目指すときは、有害業務の2範囲だけを受ける特例第一種衛生管理者試験もあります。詳しくは特例第一種衛生管理者試験の記事にまとめています。
令和7年度の合格率は、第一種46.8%、第二種48.7%でした。差は1.9ポイントで、1年分の値だけでは「第一種のほうが難しい」と断定できません。それでも、範囲と覚える量が多いぶん、学習の負担は第一種のほうが大きいと考えておくのが現実的です。
受験資格も「難易度」のうち
試験の中身とは別に、受験するための条件があります。協会の資格紹介ページによると、受験資格は学歴と労働衛生の実務経験の組合せで決まります。
上は主な区分で、ほかにも区分があります。自分が受験できるかどうかは、協会の「受験資格」の表で必ず確かめてください。実務経験の証明が必要になるため、申込みの前に職場へ確認しておくと進めやすくなります。
難易度を下げるためにできること
ここからは、学習の考え方です(公式情報ではなく、この記事の整理です)。
- 足切りの回避を最優先にする。5つの範囲で、それぞれ最低ラインを超える状態を先に作ります
- 共通の3範囲で土台を作る。労働生理は1問10点で配点が大きく、第二種と共通なので、得点源にしやすい範囲です
- 有害業務は早めに着手し、表で比べる。後回しにせず、毎週少しずつ触れます
- 範囲ごとに正答率を記録する。合計点だけでなく、5つの範囲それぞれの正答率を見ます
資格のエアポートでの学び方
第一種衛生管理者講座は、有害業務を含む全範囲を78本の授業で学べます(第二種と共通の52本と、有害業務の26本)。分からないところはAI講師のトーレスに質問できます。
料金は月額 2,484円〜(年額プラン 29,800円・一括払いの月あたり)です。月額プランは3,980円です。最新の内容と料金は講座ページで確認してください。
よくある質問
Q. 第一種衛生管理者は難しいですか。
令和7年度の合格率は46.8%で、受験者の半分弱が合格しています。ただし有害業務の範囲が加わり、範囲ごとの足切りもあるため、準備なしで受かる試験ではありません。
Q. 第二種より第一種のほうが合格率は低いですか。
令和7年度は第一種46.8%、第二種48.7%でした。1年分の値なので、傾向としては断定できません。
Q. 足切りはどのくらいの点ですか。
範囲ごとに満点の40%です。有害業務の各範囲は32点、有害業務以外の各範囲は28点、労働生理は40点が最低ラインです。
まとめ
- 令和7年度の合格率は第一種46.8%(66,401人中31,046人)
- 難しさの中心は、有害業務の2範囲(160点)の覚える量と、範囲ごと40%以上の足切り
- 合格は定員のない絶対基準。5つの範囲すべてで最低ラインを超え、合計240点以上を目指す
- 受験資格は学歴と実務経験の組合せ。申込み前に協会の表で確かめる
試験の日程や手数料、受験資格の詳細は変わることがあります。受験する前に、必ず協会の公式サイトで最新の情報を確認してください。