第一種衛生管理者試験は、5つの範囲から合計44問・400点が出題され、試験時間は3時間です。合格するには、範囲ごとに40%以上を取り、そのうえで合計60%以上にする必要があります。
この記事では、試験を実施する公益財団法人 安全衛生技術試験協会の公式ページ(2026年10月19日確認)をもとに、出題範囲、配点、合格基準、受験資格、第二種との違いを整理します。日程や手数料は変わることがあるので、申込み前に必ず公式サイトで最新の案内を確認してください。
第一種衛生管理者試験の出題範囲・問数・配点
試験科目は「労働衛生」「関係法令」「労働生理」の3つです。ただし労働衛生と関係法令は、さらに**「有害業務に係るもの」と「それ以外」の2つの範囲**に分かれます。数えると5つの範囲です。
| 科目 | 範囲 | 問数 | 配点 |
|---|---|---|---|
| 労働衛生 | 有害業務に係るもの | 10問 | 80点 |
| 労働衛生 | 有害業務に係るもの以外 | 7問 | 70点 |
| 関係法令 | 有害業務に係るもの | 10問 | 80点 |
| 関係法令 | 有害業務に係るもの以外 | 7問 | 70点 |
| 労働生理 | (分かれない) | 10問 | 100点 |
| 合計 | 44問 | 400点 |
ポイントは、1問あたりの点数が範囲によって違うことです。有害業務の範囲は1問8点、有害業務以外は1問10点、労働生理は1問10点になります(配点÷問数で計算した値です)。
「有害業務」とは、有機溶剤や粉じん、騒音など、健康障害につながる物質や作業を扱う業務のことです。第一種の試験では、これに関する法令と労働衛生が加わります。
試験時間は3時間
試験時間は、13:30〜16:30の3時間です。44問を3時間で解くので、1問に使える時間は平均で4分ほどです。
なお、一部の科目の免除を受ける人は、13:30〜15:45の2時間15分になります。免除の対象は、船員法による衛生管理者適任証書の交付を受け、その後1年以上労働衛生の実務経験がある人の「労働生理」です。
合格基準は「範囲ごと40%以上、かつ合計60%以上」
協会の案内では、合格基準は次のとおりです。
- 科目ごと(範囲が分かれている科目は範囲ごと)の得点が40%以上
- 合計得点が60%以上
つまり、合計で6割を超えても、1つの範囲が4割未満なら不合格です。これを「足切り」と呼ぶことがあります。
| 範囲 | 満点 | 40%の得点 |
|---|---|---|
| 労働衛生(有害業務) | 80点 | 32点 |
| 労働衛生(有害業務以外) | 70点 | 28点 |
| 関係法令(有害業務) | 80点 | 32点 |
| 関係法令(有害業務以外) | 70点 | 28点 |
| 労働生理 | 100点 | 40点 |
| 合計(60%) | 400点 | 240点 |
この表の「40%の得点」と「240点」は、公式の基準を満点に当てはめた計算値です。協会が点数を別に示しているわけではありません。
有害業務の2範囲は、1問8点で10問です。5問しか合っていないと40点で、40%(32点)は超えますが、4問だと32点でちょうど40%です。3問だと24点になり足切りです。得意な範囲で点を稼いでも、苦手な範囲を捨てると合格できません。
受験資格は「学歴+労働衛生の実務経験」
第一種衛生管理者試験には受験資格があり、学歴と労働衛生の実務経験の年数の組合せで決まります。協会の案内では、コード番号1-1〜9-3に分かれています。代表的なものは次のとおりです。
| 学歴など | 必要な実務経験 |
|---|---|
| 大学・短期大学・高等専門学校を卒業 | 労働衛生の実務経験が1年以上 |
| 高等学校・中等教育学校を卒業 | 実務経験が3年以上 |
| 学歴を問わない | 実務経験が10年以上 |
このほかにも、学士の学位がある人、専修学校の専門課程を修了した人、職業訓練の修了者、外国の学校の修了者などの区分があります。自分がどのコードに当てはまるかは、協会の「第一種衛生管理者」のページで確認してください。
協会の案内では、大学・短大・高専には専修学校、各種専門学校、各種学校は含まれないとされています。専門学校卒業の人は、区分をよく確認しましょう。
受験資格の証明には、事業者が書いた実務経験の証明書などが必要になります。書類の集め方は、申込みの前に協会の案内で確かめておくと安心です。
試験手数料
学科試験の手数料は、協会の「試験手数料」のページでは「学科試験共通手数料」として8,800円と案内されています(2026年10月19日確認)。衛生管理者には実技試験はありません。金額は改定されることがあるので、申込みの際に最新の案内を確認してください。
第二種との違い
衛生管理者の試験には、第一種のほかに第二種があります。出題の違いを整理すると、次のようになります。
| 項目 | 第一種 | 第二種 |
|---|---|---|
| 出題範囲 | 有害業務を含む全範囲 | 有害業務を除く範囲 |
| 科目の構成 | 5つの範囲 | 3科目(関係法令・労働衛生・労働生理) |
| 問数 | 44問 | 30問 |
| 満点 | 400点 | 300点 |
| 有害業務の出題 | あり(2範囲・各10問) | なし |
第二種の問数と配点は、第一種から有害業務の20問(160点)を除いたものと考えると分かりやすいです。第一種の「有害業務以外」の範囲と、第二種の出題は、重なる内容があります。
特例第一種衛生管理者試験とは
すでに第二種衛生管理者免許を受けている人は、「特例第一種衛生管理者試験」を受けられます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象 | 第二種衛生管理者免許を受けた人 |
| 試験科目 | 労働衛生(有害業務に係るもの)と関係法令(有害業務に係るもの) |
| 問数・配点 | 各10問・80点(合計20問・160点) |
| 試験時間 | 2時間 |
| 申請時の書類 | 第二種免許証の写し(受験資格を証する書類は不要) |
申請書A欄の上に「特例」と赤字で書くなど、申込みの書き方に決まりがあります。詳しくは協会の案内を確認してください。
試験での問われ方と、対策の優先順位
ここからは、学習の考え方です(公式の情報ではなく、この記事の整理です)。
- 足切りが5つあるので、全範囲を満遍なく取ることが大切です。1つの範囲が極端に苦手だと、ほかで高得点でも不合格になります
- 有害業務の2範囲は、第一種だけの範囲で、物質名や規則の細かい数字が出ます。後回しにすると間に合わなくなりやすい範囲です
- 労働生理は1問10点で配点が大きく、人体の仕組みを理解すれば得点しやすい範囲です
- 有害業務以外の2範囲は、第二種と共通の内容が多く、衛生管理者としての基本が問われます
学習の順番は、まず有害業務以外の2範囲と労働生理で土台を作り、そのうえで有害業務に進むと、理解がつながりやすくなります。
資格のエアポートでの学び方
第一種衛生管理者講座は、有害業務を含む全範囲を、78本の授業で学べる構成です(第二種と共通の52本と、有害業務の26本)。AI講師のトーレスに質問しながら学べます。
料金は月額 2,484円〜(年額プラン 29,800円・一括払いの月あたり)です。月額プランは3,980円です。最新の内容と料金は講座ページで確認してください。
よくある質問
Q. 第一種は何点で合格ですか。 A. 点数だけでなく、範囲ごとに40%以上、かつ合計60%以上が必要です。400点満点なら合計240点以上が目安ですが、範囲ごとの得点も確認されます。
Q. 第二種に合格していなくても、第一種を受けられますか。 A. 受けられます。第一種は、受験資格(学歴と実務経験)を満たせば、第二種を持っていなくても受験できます。
Q. 第二種の免許があれば、第一種は何を受けますか。 A. 特例第一種衛生管理者試験で、有害業務に係る労働衛生と関係法令の2範囲(各10問)を、2時間で受けます。
まとめ
- 第一種衛生管理者試験は、5つの範囲から44問・400点、試験時間は3時間
- 合格基準は、範囲ごとに40%以上、かつ合計60%以上
- 有害業務の2範囲(各10問・80点)が、第二種にない第一種の特徴
- 受験には学歴と労働衛生の実務経験が必要。第二種免許があれば特例第一種で有害業務の2範囲だけを受けられる
受験資格の区分、日程、手数料は、受験する年度の協会の案内で必ず確認してください。

