1級土木施工管理技士の第一次検定は、土木工事の施工管理に必要な知識を問う択一式の試験です。午前と午後に分けて実施され、令和8年度は、必須問題40問と選択問題30問の合計70問を解答しました。合格するには、全体の得点が60%以上であることに加えて、施工管理法(応用能力)の得点も60%以上である必要があります。
この記事では、第一次検定がどんな試験なのかを、実施機関の公式資料で確認できた範囲でまとめます。数字は令和8年度(2026年7月5日実施)のものです。日程や手数料は年度ごとに変わるため、受検する年度の案内は全国建設研修センターで確認してください。
第一次検定とは? 誰が実施する試験か
1級土木施工管理技術検定は、建設業法に基づいて行われる国家試験です。国土交通大臣から指定を受けた試験機関である一般財団法人 全国建設研修センターが実施しています(建設業法第27条・第27条の2に基づく)。
検定は「第一次検定」と「第二次検定」の2段階です。受検の手引によると、第一次検定の合格者は「1級土木施工管理技士補」、第二次検定の合格者は「1級土木施工管理技士」の国家資格を取得できます。
つまり第一次検定は、1級土木施工管理技士になるための最初の関門であり、合格するだけでも「技士補」という称号が得られる試験です。
試験の形は? 午前・午後・択一式
令和8年度の受検の手引では、試験の形は次のとおりです。
注意したいのは、午前と午後の両方を受けることが前提という点です。受検の手引には、第一次検定は午前と午後に分けて実施し、午前のみの受検者は欠席扱いになること、そして午後のみの受検はできないことが書かれています。
検定科目は3つ
受検の手引では、第一次検定の検定科目を次の3つとしています。
施工管理法の検定基準には「監理技術者補佐として」という表現が使われています。1級は、監理技術者を補佐できるレベルの知識と応用能力を確かめる試験だと読めます。
必須問題と選択問題 — 70問の内訳の考え方
解答するのは70問ですが、出題される問題の数はそれより多く、一部の区分では「出題された問題の中から決まった数を選んで解答する」形になっています。全国建設研修センターの合格発表資料には「解答する必須問題40問、選択問題30問の合計70問」と書かれています。
ここで大事なのは、次の2点です。
- 必須問題は、全員が必ず解答する問題です。40問あり、解答する70問の半分を超えます
- 選択問題は、区分の中から指定された数を選んで解答する問題です。30問分を選びます
区分ごとに何問から何問を選ぶのか、また指定より多く解答した場合の扱いは、試験問題の表紙にある注意書きに書かれています。試験問題と正答番号は全国建設研修センターが公表しているので、受検前に一度、注意書きを読んでおくと安心です。この記事では、問題文や選択肢には触れません。
選択問題は「多く解答しても有利にならない」仕組みです。区分ごとの選ぶ数は、必ず試験問題の注意書きで確認してから解答してください。
合格基準は2つある — 全体60%と応用能力60%
合格基準は、国土交通省が年度ごとに「技術検定の合格基準について」で示します。令和8年度の1級土木施工管理の第一次検定は、次のとおりです。
合格発表資料には、1問1点で、全体で60%以上(42問以上正解)かつ施工管理法(応用能力)の15問のうち60%以上(9問以上正解)を合格とする、と書かれています。
どちらか一方だけでは合格になりません。 たとえば全体で42問以上取れても、応用能力が8問以下なら不合格です。受検の手引にも、全体の得点が合格基準以上でも応用能力問題が基準未満の場合は、その旨を付して不合格と通知すると書かれています。
なお、国土交通省の資料には「試験の実施状況等を踏まえ、変更する可能性がある」と書かれています。問数や基準点は、受検する年度の発表で確認してください。種目によって応用能力の基準は異なります(同じ資料で、電気工事施工管理などは別の割合です)。1級土木の数字を他の種目に当てはめないよう注意してください。
受検資格は? 19歳以上なら学歴・実務経験は問われない
令和6年度から受検資格が見直され、1級の第一次検定は学歴や実務経験に関係なく、一定の年齢以上であれば受検できるようになりました。令和8年度の手引では、受検資格は「令和8年度中における年齢が19歳以上の者」です(平成20年4月1日に生まれた人も含む)。
第二次検定のほうは、第一次検定などに合格したあとの実務経験が求められます。今年度に第二次検定も受ける人は、申込みのときに「第一次検定・第二次検定」で申し込む必要があります。第二次検定の受検資格の詳しい中身は、別の記事で整理する予定です。
受検手数料は令和8年度の第一次検定で12,000円(非課税)です。申込みはインターネットのみで、受付期間は3月23日〜4月6日でした。最新の日程・金額は、全国建設研修センターの案内で確認してください。
合格率はどれくらい? 令和8年度のデータ
全国建設研修センターの発表では、令和8年度の第一次検定の結果は次のとおりです。
数字は同じ発表資料に載っているものです。年度ごとに合格基準や出題の内容が同じとは限らないので、「だいたい2人に1人」のような単純な見方をせず、全体60%と応用能力60%の両方を超える準備が必要です。
勉強の進め方 — 必須の40問を先に固める
70問のうち40問が必須で、そのうち応用能力の15問は、別に9問取らなければならない問題です。そのため、勉強はまず必須問題の範囲から固めるのが効率的です。
1級土木施工管理技士講座は、第一次検定の対策講座です。試験の全体像、土木一般、専門土木、法規、基礎と共通工学、施工管理の知識、施工管理法(応用能力)の79本の授業を、AI音声の動画とスマホの確認問題で進められます。料金は月額 3,317円〜(年額プラン39,800円・一括払いの月あたり)です。
なお、この講座が対応しているのは第一次検定のみで、第二次検定(記述式)には対応していません。
よくある質問
Q. 午後だけ受検することはできますか?
できません。受検の手引では、午後のみの受検はできないと書かれています。午前のみで帰った場合は欠席扱いです。
Q. 第一次検定に合格すると何と名乗れますか?
「1級土木施工管理技士補」と称することができます。第二次検定に合格すると「1級土木施工管理技士」になります。
Q. 学歴や実務経験がなくても受検できますか?
はい。令和8年度の手引では、年度中に19歳以上であることが受検資格です。
Q. 試験問題は見られますか?
全国建設研修センターが、試験問題と正答番号を試験の翌日から1年間公表しています(令和8年度の第一次検定は令和8年7月6日から1年間)。
まとめ
- 第一次検定は午前・午後の択一式。令和8年度は必須40問+選択30問の70問を解答した
- 合格には全体60%以上(42問以上)と応用能力60%以上(15問中9問以上)の両方が必要
- 受検資格は年度中に19歳以上。午前のみ・午後のみの受検はできない
- 日程・手数料・問数は年度ごとに変わるため、受検する年度の手引で確認する
第一次検定は「必須40問」と「応用能力9問」が土台です。まず試験の形と合格基準を押さえて、必須の範囲から固めましょう。