1級土木施工管理技士の第一次検定の合格基準は、2つの条件を同時に満たすことです。令和8年度は、解答する70問のうち42問以上(60%)を正解し、さらに施工管理法(応用能力)の15問のうち9問以上(60%)を正解した人が合格でした。全体の点数が足りていても、応用能力が基準に届かなければ不合格になります。
この記事では、2つの条件の意味と、点数の組合せごとに合否がどうなるかを、公式資料にもとづいて整理します。数字は令和8年度(2026年7月5日実施)のものです。
合格基準は何問? 令和8年度の基準
合格基準は、国土交通省が年度ごとに「技術検定の合格基準について」で示します。令和8年度の1級土木施工管理の第一次検定は、次のとおりです。
全国建設研修センターの合格発表資料には、解答する必須問題40問と選択問題30問の合計70問を1問1点として、合計得点が60%以上(42問以上正解)かつ、施工管理法(応用能力)の15問のうち得点が60%以上(9問以上正解)を合格とする、と書かれています。
70問の60%は42問、15問の60%は9問で、どちらも割り切れる数です。端数の扱いで迷うことはありません。
国土交通省の資料には「試験の実施状況等を踏まえ、変更する可能性がある」と書かれています。受検する年度の基準は、その年度の受検の手引や国土交通省の発表で確認してください。
応用能力の足切りとは? 全体の点数だけでは決まらない
応用能力は、施工管理法の検定基準にある「監理技術者補佐として、施工の管理を適確に行うために必要な応用能力を有すること」を確かめる問題です。この15問だけに、全体とは別の基準が置かれています。
受検の手引では、成績の通知について次のように書かれています。
- 全体の得点が合格基準未満のときは、第一次検定の正解数が通知されます
- 全体の得点が合格基準以上で、応用能力問題の得点が基準未満のときは、正解数に加えて「施工管理法(応用能力)問題の得点が合格基準未満のため不合格」と通知されます
つまり、全体で基準を超えていても、応用能力が足りないだけで不合格になる人が実際に想定されています。なお、通知されるのは全体の結果のみで、設問ごとの得点は通知されません。合格者には成績の通知は行われないとも書かれています。
点数の組合せで考える — 合格する人・しない人
2つの条件が実際にどう働くのかを、点数の組合せで見てみます。次の表の数字は、基準を理解するための仮の例です。
2行目のように、応用能力が得意でも、全体が1問足りなければ合格できません。逆に1行目のように、全体の点数が高くても応用能力で落ちることがあります。
応用能力が8問だと、全体の点数がどうなるか
応用能力を除いた問題は、70問から15問を引いた55問です。応用能力で8問しか取れなかった場合、残りの55問をすべて正解しても、全体は55+8=63問までです。63問は全体の基準42問を超えていますが、応用能力の基準に届かないため不合格です。
この例から、応用能力は「全体の点数に含まれる15問」であると同時に、「合否を別に分ける15問」でもあることがわかります。
応用能力で9問取れたら、残りは何問必要か
応用能力で9問取れた人が全体の基準42問に届くには、残りの55問のうち42-9=33問を取る必要があります。33問は55問の60%にあたります。
応用能力で15問すべてを取った人は、残りの55問のうち27問(約49%)で全体の基準に届きます。応用能力で多く取れるほど、ほかの問題に求められる正解数は減ります。
どの行でも、応用能力が9問未満なら合格できない点は変わりません。
ほかの種目の応用能力の基準は?
応用能力の基準は、施工管理技術検定の種目によって違います。国土交通省の令和8年度の資料にある、1級の第一次検定の基準を並べると次のとおりです。
1級土木は、応用能力の割合が比較的高い種目です。ほかの種目の受検者向けの情報を読むときは、応用能力の割合が同じとは限らない点に注意してください。また、2級の第一次検定には、応用能力の基準は置かれていません(全体60%以上のみ)。
応用能力15問はどんな問題か
応用能力の問題は、午後の問題Bに含まれる施工管理法の問題です。講座では、この15問を「毎回ほぼ同じ並びで出る分野」ととらえて、計画・体制、工程、安全、品質の順に練習します。問いの型には、空欄に入る語の組合せを選ぶもの、適当な記述をすべて含む組合せを選ぶもの、適当なものの数を答えるものなどがあります。
型は問番号で決まっているので、問題を見た瞬間に解き方を切り替えられるようにしておくと、9問に届きやすくなります。具体的な問題文や選択肢は、全国建設研修センターが公表している試験問題で確認できます(令和8年度の第一次検定は令和8年7月6日から1年間)。この記事では問題文は載せません。
合格率は? 基準との関係
令和8年度の第一次検定は、受検者50,012人、合格者24,927人で、合格率(受検者に対する割合)は49.8%でした。令和7年度は受検者47,715人、合格者20,547人です。
年度ごとに受検者の層や問題が違うため、合格率だけで難しさは比べられません。大切なのは、全体と応用能力の2つの基準を、自分の得点に当てはめて考えることです。合格率の推移は、別の記事で整理する予定です。
基準を知ったうえでの勉強の進め方
2つの条件から、勉強の優先順位が見えてきます。
- 応用能力15問は捨てない。 9問は別枠の条件なので、苦手分野があっても最低ラインを決めて取りにいきます
- 必須問題を先に固める。 解答する70問のうち40問は必須問題です。必須を安定して取れれば、選択問題で取るべき数が減ります
- 選択問題は得意な区分を選ぶ。 何問から何問を選ぶかは、試験問題の注意書きで確かめます
1級土木施工管理技士講座は、第一次検定の対策講座です。試験の全体像、土木一般、専門土木、法規、基礎と共通工学、施工管理の知識、施工管理法(応用能力)の79本の授業を、AI音声の動画とスマホの確認問題で進められます。応用能力は、解き方の授業から入って分野ごとに練習する構成です。料金は月額 3,317円〜(年額プラン39,800円・一括払いの月あたり)です。
なお、この講座が対応しているのは第一次検定のみで、第二次検定(記述式)には対応していません。試験の形や受検資格は、第一次検定とは? 試験時間・問題数・合格基準を整理した記事でも確認できます。
よくある質問
Q. 全体で42問以上取れれば合格ですか?
いいえ。応用能力の15問で9問以上取ることも必要です。全体が42問以上でも、応用能力が8問以下なら不合格です。
Q. 合格基準は毎年同じですか?
同じとは限りません。国土交通省が年度ごとに合格基準を示し、「試験の実施状況等を踏まえ、変更する可能性がある」と書かれています。受検する年度の案内で確認してください。
Q. 不合格のとき、応用能力が原因だったかどうかはわかりますか?
わかります。全体が基準以上で応用能力が基準未満の場合は、結果通知書にその旨が書かれます。設問ごとの得点は通知されません。
Q. 第二次検定の合格基準は?
令和8年度の国土交通省の資料では、土木施工管理の第二次検定は得点が60%以上です。この講座は第二次検定には対応していません。
まとめ
- 令和8年度の基準は、70問中42問以上かつ応用能力15問中9問以上の2条件
- 全体が高くても応用能力が8問以下なら不合格。応用能力が9問なら、残り55問で33問が目安になる
- 応用能力の割合は種目で違う。1級土木は60%で、電気工事・管工事は50%
- 基準は変更されることがあるので、受検年度の案内で確認する
合格基準は「全体42問」と「応用能力9問」の両方です。応用能力を捨てずに、必須問題から固めましょう。