管理業務主任者試験に合格している人は、マンション管理士試験で「5問免除」を受けられると聞きます。この記事では、何が免除されるのか、免除を受けると合格点はどう読めばよいのか、申請で何をするのかを、条文と公式の案内で確かめた内容だけで整理します。数字や日付は2026年10月20日時点の確認内容です。最新の情報は、試験を実施するマンション管理センターの公式サイトでご確認ください。
結論:免除されるのは適正化法の5問だけ
管理業務主任者試験の合格者は、マンション管理士試験のうち「適正化法に関すること」を免除されます。適正化法は、マンションの管理の適正化の推進に関する法律のことです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 誰が対象か | 管理業務主任者試験に合格した者(施行規則3条) |
| 何が免除されるか | 試験すべき事項のうち「法に関すること」(施行規則4条、2条4号) |
| 問題数 | 適正化法に関する5問(マンション管理センターのQ&A) |
| 扱い | 5問正解と同じ扱い(同Q&A) |
| 手続 | 申請して受ける(同Q&Aは「申請することができます」と案内) |
免除の大きな根拠は、適正化法7条2項です。「国土交通省令で定める資格を有する者に対しては、国土交通省令で定めるところにより、試験の一部を免除することができる」と書かれています。この「国土交通省令」が施行規則で、3条が対象者、4条が免除の範囲を決めています。
免除されるのは5問分だけです。区分所有法、民法、標準管理規約、会計、建築・設備といった残りの分野は、どの受験者も同じように解きます。
条文で免除の範囲を確かめる
施行規則2条は、マンション管理士試験の内容を、おおむね次の4つに分けています。
| 号 | 試験すべき事項 |
|---|---|
| 1号 | マンションの管理に関する法令及び実務に関すること(4号を除く) |
| 2号 | 管理組合の運営の円滑化に関すること |
| 3号 | マンションの建物及び附属施設の構造及び設備に関すること |
| 4号 | 法に関すること |
免除の対象は、このうち4号だけです(施行規則4条)。1号のかっこ書きが「4号に掲げるものを除く」となっているため、区分所有法などの法令の分野は免除の対象に入らないことが、条文から読み取れます。
合格点はどう読むか
免除を受けると「合格点が5点下がる」と説明されることがあります。公式の結果発表で、数字を確かめてみましょう。令和7年度(2025年11月30日実施)の結果について、マンション管理センターは合格最低点を次のように公表しています。
| 受験者 | 合格最低点 |
|---|---|
| 免除を受けない人 | 50問中42問以上正解 |
| 一部免除を受けた人 | 45問中37問以上正解 |
42問から37問への差は、ちょうど5問です。免除された5問が「正解と同じ扱い」になるので、考え方としては次のとおりです。
- 免除を受けない人:50問のうち42問に正解する
- 免除を受けた人:免除の5問は正解扱いなので、残り45問のうち37問に正解すれば、合計42問になる
つまり、合格に必要な合計点が下がるのではなく、合計点42点のうち5点分をあらかじめもらった状態で解き始めるというのが正しい読み方です。解く問題の数も5問減るので、時間の使い方も変わります。
合格最低点は毎年変わります。42問、37問は令和7年度の発表値です。令和8年度(2026年11月29日実施)の合格最低点は、試験後に公表されます。
同じ令和7年度の結果として、受験者10,984名、合格者1,210名、合格率11.0%が公表されています(前年の令和6年度は12.7%)。この合格率には、免除を受けた人と受けない人が合わせて含まれています。免除を受けた人だけの合格率は、今回確認した結果の概要には載っていませんでした。
免除を受けると、勉強の組み立てはどう変わるか
免除を受ける人は、適正化法の勉強を試験対策として省けます。一方で、免除を受けた人が勉強する分野は、次のように変わりません。
| 分野 | 免除を受ける人の勉強 |
|---|---|
| 区分所有法・被災区分所有法 | 通常どおり必要 |
| 民法・借地借家法・不動産登記法・建築基準法など | 通常どおり必要 |
| 標準管理規約 | 通常どおり必要 |
| 会計・税務 | 通常どおり必要 |
| 建築・設備、長期修繕計画 | 通常どおり必要 |
| 適正化法 | 試験対策としては不要(5問が免除) |
出題の基準になる法令は、令和8年度の実施公告で「令和8年4月1日において施行されている法令等」とされています。2026年4月1日に施行された区分所有法の改正も、この基準日までに施行されているため、免除を受ける人も含めて、出題の対象として学ぶ必要があります。
免除の申請は、あくまで「申請することができます」という仕組みです。免除を受けた人が合格最低点を超えるには、免除されない45問の勉強が中心になります。適正化法の5問が自分の得意分野かどうかは、人によって違うので、受験案内で手続を確かめたうえで、自分で判断しましょう。
申請と合格番号の調べ方
免除の手続の細かい点は、毎年の受験案内に書かれています。令和8年度の受験申込は、実施公告のとおり次の期間で、すでに終わっています。
| 申込方法 | 期間(令和8年度) |
|---|---|
| 郵送 | 2026年8月3日〜8月31日(当日消印有効) |
| インターネット | 2026年8月3日10時〜9月30日16時 |
次の試験を考えている人が準備しておくとよいのは、管理業務主任者試験の合格番号です。合格番号が分からないときの手順は、マンション管理業協会の令和8年度Q&Aに書かれています。
- 管理業務主任者試験の合格番号(または移行講習の修了番号)は、所定の照会書をFAXまたはメールで協会に送って確認する
- 回答は、送付から翌々営業日までに行われる
- 申込締切の前に、余裕をもって照会するよう案内されている
なお、同じQ&Aには、免除の仕組みが逆向きにもあることが書かれています。マンション管理士試験の合格者は、管理業務主任者試験の申込時に申請すると、適正化法に関する5問が免除されます(45問、試験時間は13時10分から15時まで)。2つの資格の違いはマンション管理士と管理業務主任者の違いの記事で整理しています。
免除に有効期間があるかどうかは、今回確認した公式のQ&Aやページには記載がありませんでした。合格してから時間がたっている人は、受験案内で確認してください。
免除を受けない選択もある
免除は「申請できる」制度なので、使わない選択もあります。免除を受けない場合は、50問すべてを解き、令和7年度の例では42問以上の正解が必要です。適正化法の5問も、自分の力で解くことになります。
免除を受けるかどうかで変わるのは、次の2点です。
| 免除を受ける | 免除を受けない | |
|---|---|---|
| 解く問題数 | 45問 | 50問 |
| 令和7年度の合格最低点 | 45問中37問以上 | 50問中42問以上 |
どちらを選ぶかは、受験案内で手続を確かめたうえで、自分で判断してください。大切なのは、どの方式で受けるのかを、申込の前に決めておくことです。
授業・講座への導線
マンション管理士講座では、適正化法の章を、免除の対象になる分野として切り分けて学べる構成にしています。管理業務主任者試験に合格している人は、この章を飛ばして、区分所有法や標準管理規約などの免除されない分野に時間を使えます。試験全体の形式や出題の並びを先に知りたい人は、マンション管理士試験とは? 50問・四肢択一、合格基準と出題の並びを解説もあわせてご覧ください。
よくある質問
Q. 免除を受けると、合格点は5点下がりますか?
合格に必要な合計点が下がるわけではありません。免除された5問が正解扱いになるので、令和7年度は50問中42問以上、免除を受けた人は45問中37問以上と、差が5問になっています。
Q. 免除される5問は、試験のどの分野ですか?
適正化法(マンションの管理の適正化の推進に関する法律)に関する5問です。施行規則4条が、試験すべき事項のうち2条4号の「法に関すること」を免除すると定めています。
Q. 管理業務主任者の合格番号が分からないときは?
管理業務主任者試験を実施するマンション管理業協会に、所定の照会書をFAXまたはメールで送ると確認できます。回答は送付から翌々営業日までとされているので、申込締切に余裕をもって照会しましょう。
Q. 免除の申請は必要ですか?
はい。マンション管理センターのQ&Aは、管理業務主任者試験の合格者は一部免除を「申請することができます」と案内しています。申請の手続は毎年の受験案内で確認してください。
まとめ
- 免除の対象は、管理業務主任者試験の合格者。免除されるのは適正化法に関する5問(施行規則3条・4条)
- 免除を受けた5問は正解と同じ扱い。令和7年度の合格最低点は、50問中42問以上、免除者は45問中37問以上
- 合格に必要な合計点が下がるのではなく、5点分を先にもらった状態で解き始める、と読むのが正確
- 免除は申請して使う制度。管理業務主任者の合格番号が分からないときは、協会に照会書で確認する
5問免除は心強い仕組みですが、免除されない45問が合否を決めます。区分所有法や標準管理規約など、配点の大きい分野から固めていきましょう。

