マンション管理士に合格している人が管理業務主任者を受けるとき、試験の一部が免除されます。結論から言うと、免除されるのは「マンションの管理の適正化の推進に関する法律」に関する5問で、解くのは45問になります。この記事では、免除の根拠、申請の流れ、免除者の合格基準点の読み方を、協会の公表資料と法令で確かめた範囲でまとめます。内容は2026年10月21日時点の確認です。最新の案内は、必ず協会の公式サイトでご確認ください。
免除されるのは「適正化法」の5問
免除の根拠は、マンションの管理の適正化の推進に関する法律施行規則(以下「施行規則」)の66条です。条文は「マンション管理士試験に合格した者については、第64条に掲げる試験すべき事項のうち同条第4号に掲げるものを免除する」という内容です。
64条4号は「法に関すること」で、この「法」はマンションの管理の適正化の推進に関する法律(以下「適正化法」)を指します。管理会社の登録、重要事項説明、管理業務主任者の設置など、管理業者に関するルールを定めた法律です。
| 項目 | 一般の受験者 | マンション管理士の合格者(免除あり) |
|---|---|---|
| 解く問題数 | 50問 | 45問 |
| 免除される分野 | なし | 適正化法に関すること(5問) |
| 試験時間(令和8年度) | 13時〜15時 | 13時10分〜15時 |
| 申請 | 不要 | 受験の申込時に申請 |
試験時間は協会のQ&Aに、免除者は「午後1時10分から午後3時まで」と案内されています。一般の受験者より始まりが10分遅くなっています。
免除は自動では適用されません。受験の申込みのときに、免除を受けたいと申請する必要があります。
申請の流れと合格番号の調べ方
免除を受けるには、受験する年の受験申込案内書に従って、申込時に申請します。必要書類の詳しい一覧は、協会のQ&Aには書かれておらず、受験申込案内書の確認を求める形になっています。ここでは、案内書を読む前の見取り図として流れを整理します。
- 受験する年度の受験申込案内書を入手し、免除の項目を読む
- マンション管理士試験の合格番号などを確認する
- 申込みのときに、免除を受けることを申請する
合格番号が分からないときの問い合わせ先も、協会のQ&Aに載っています。マンション管理士試験の合格番号が不明な場合は、マンション管理士試験を実施する公益財団法人マンション管理センターに問い合わせるよう案内されています。
なお、協会のQ&Aには、管理業務主任者試験の合格番号などを調べるための所定の照会書(FAXまたはメールで送付)の案内もあります。回答は「翌々営業日までにFAX又はメール」とされ、申込みの締切前に余裕をもって照会するよう書かれています。こちらは、管理業務主任者試験の合格者などが自分の番号を確かめる場面の案内です。免除の申請に使う番号は、受験申込案内書で必要とされるものを確認してください。
令和8年度の受験申込みはすでに終了しています。次の年度に受験する場合は、協会の試験案内のページで新しい日程と申込期間を確かめましょう。
免除者の合格基準点は「5問少ない」
合格基準点は、50問の受験者と免除者で別々に決まります。協会の結果報告には、免除者の基準点が括弧書きで載っています。
| 年度 | 合格基準点(50問中) | 免除者の合格基準点(45問中) | 差 |
|---|---|---|---|
| 令和6年度 | 38問 | 33問 | 5問 |
| 令和7年度 | 36問 | 31問 | 5問 |
どちらの年度も、免除者の基準点は50問の基準点からちょうど5問少なくなっています。つまり、適正化法の5問を満点で取った人が、残り45問の分野でどれだけ取れば合格かを計算した形です。免除者から見ると、「適正化法の5問は正解したものとして扱われ、残り45問の合格ラインが5問分だけ下がる」と考えると分かりやすいでしょう。
率で比べると、次のようになります。
| 年度 | 一般の受験者の基準点の割合 | 免除者の基準点の割合 |
|---|---|---|
| 令和6年度 | 38÷50=76.0% | 33÷45=73.3% |
| 令和7年度 | 36÷50=72.0% | 31÷45=68.9% |
この割合は、協会が公表した基準点を使って筆者が計算した値です。免除者のほうが、必要な正答の割合は少し低くなります。ただし、免除者が解く45問の中身は、一般の受験者と同じ民法・区分所有法・標準管理規約・会計・建物設備の分野です。免除を受けても、その分野を軽く見てよいことにはなりません。
合格基準点は年度ごとに決まり、事前には公表されません。上の表は過去2年度の結果であり、今後の基準点を保証するものではありません。
免除を受けるかどうかの考え方
免除は権利なので、受けるかどうかは本人が決めます。迷ったときの整理の材料を挙げます。
- 学習の負担:適正化法は、条文と数字・手続を正確に覚える分野です。免除を受ければ、この分野の学習時間を、民法や会計、建物・設備に回せます
- 合格後の仕事:合格後に管理業務主任者として登録するには、別の要件があります。適正化法そのものは、管理業務主任者の仕事で使うルールの土台です。免除を受けた場合も、実務に入る前に学び直す場面が出てきます
- 申請の手間:合格番号の確認と申請が必要です。申込みの締切に間に合うように、早めに準備しておきましょう
どちらが得かは、人によって違います。試験の全体像は試験の全体像の記事で整理しています。そこに、出題分野と合格率の推移もあります。
免除と、合格基準点の「目安」の使い方
免除者でも、学習計画の立て方は50問の受験者と大きくは変わりません。次の3点を意識するとよいでしょう。
- 45問の中で落とす分野を作らない。免除者の基準点は45問中31〜33問で、7割前後を取る必要があります
- 得意な分野で稼ぎ、苦手な分野の失点を抑える。基準点は1〜3問ほど年度で動くため、ぎりぎりを狙わず余裕を持たせます
- 法令の基準日を確認する。区分所有法は令和7年に改正され、2026年4月1日に施行されました。教材が改正後の内容に対応しているかを確かめましょう
資格のエアポートの管理業務主任者講座では、民法・区分所有法・標準管理規約から会計、建物・設備、適正化法までを授業で順に学べます。免除を受ける方も、受けない方も、講座ページで内容を確認できます。
よくある質問
Q. 免除を受けると、試験は簡単になりますか?
問題数が50問から45問に減り、合格基準点も5問分下がります。ただし、解く45問の難しさは変わらないので、簡単になるとは言えません。
Q. 免除は自動で適用されますか?
いいえ。受験の申込みのときに、免除を受けたいと申請する必要があります。詳しい手順は、受験する年の受験申込案内書で確認してください。
Q. 合格番号が分かりません。どうすればよいですか?
マンション管理士試験の合格番号は、実施機関である公益財団法人マンション管理センターに問い合わせるよう、協会のQ&Aで案内されています。締切前に余裕をもって確認しましょう。
Q. 免除者の試験時間は一般の受験者と同じですか?
違います。令和8年度は、一般の受験者が13時〜15時、免除者が13時10分〜15時です。
まとめ
- マンション管理士の合格者は、施行規則66条により、適正化法に関する5問が免除されます
- 免除は申込時の申請が必要で、解くのは45問、令和8年度の試験時間は13時10分〜15時です
- 免除者の合格基準点は、令和6年度が45問中33問、令和7年度が31問と、50問の基準点より5問少なくなっています
- 免除を受けても、45問の分野の難しさは変わりません。必要な申請を早めに済ませ、残りの分野を落とさず学習しましょう
日程や手続は年度ごとに変わります。受験を決めたら、協会の公式サイトと受験申込案内書で最新の案内を確認してください。

