管理業務主任者を目指すとき、最初に知りたいのは「どんな形式の試験で、何割取れば受かるのか」でしょう。この記事では、試験を実施するマンション管理業協会の公表資料と法令を確かめたうえで、試験の形、出題分野、合格基準点の推移、一部免除、合格後の登録までをまとめます。数字や日付は2026年10月13日時点の確認内容です。最新の情報は、必ず協会の公式サイトでご確認ください。
結論:試験の形と日程
令和8年度の試験は、協会の実施案内とQ&Aで次のように示されています。
| 項目 | 内容(令和8年度) |
|---|---|
| 実施機関 | 一般社団法人マンション管理業協会(国土交通大臣指定の試験機関) |
| 試験日時 | 2026年12月6日(日)13時〜15時 |
| 出題 | 50問の四肢択一(マークシート方式) |
| 受験資格 | 制限なし。年齢や学歴に関係なく誰でも受験できる |
| 受験手数料 | 8,900円(非課税)。Web申込には別に手数料がかかる |
| 申込期間 | Web申込は8月3日〜9月30日、郵送申込は8月3日〜8月24日(いずれも受付終了) |
| 合格発表 | 2027年1月15日(金) |
| 試験地 | 北海道・宮城・東京・愛知・大阪・広島・福岡・沖縄の8地域 |
令和8年度の申込みはすでに締め切られています。次の年度を目指す場合は、例年どおりであれば夏ごろに案内が出ますが、日程は年度ごとに変わります。必ず協会のページで最新の案内を確かめてください。
受験資格に制限がないので、マンション管理会社での勤務経験がなくても受験できます。ただし、合格後に「管理業務主任者」として登録するには、別に要件があります(後述)。
出題分野:施行規則64条の5つの事項
試験で問われる範囲は、協会のQ&Aによると、マンションの管理の適正化の推進に関する法律(以下「適正化法」)の施行規則64条に定められた範囲です。条文では、試験すべき事項が次の5つにまとめられています。
| 号 | 事項(条文の趣旨) | 中身のイメージ |
|---|---|---|
| 1号 | 管理事務及び管理者事務の委託契約に関すること | 民法の契約のルール、標準管理委託契約書 |
| 2号 | 管理組合の会計の収入及び支出の調定並びに出納に関すること | 簿記、決算書、管理費・修繕積立金の扱い |
| 3号 | 建物及び附属設備の維持又は修繕に関する企画又は実施の調整に関すること | 建物の構造、設備、修繕の計画と実施 |
| 4号 | 法(適正化法)に関すること | 管理業者の登録、重要事項説明、管理業務主任者の役割 |
| 5号 | 前各号のほか、管理事務の実施に関すること | 区分所有法、標準管理規約、管理組合の運営 |
「中身のイメージ」の列は、条文の言い回しを受験生向けにかみ砕いた筆者の整理です。実際の問題がどの分野から何問出るかは、年度ごとの問題冊子で確かめてください。
なお、令和8年度の受験申込案内書では、1号の表記が「管理事務及び管理者事務の委託契約に関すること」に訂正されています(協会のページに訂正の記載があります)。古い解説書では「管理事務の委託契約」と書かれていることがあるため、条文の文言を確認する習慣をつけるとよいでしょう。
出題の基準になる法令
マンション管理に関する法令は改正が続いています。区分所有法は令和7年に改正され、2026年4月1日に施行されました。試験でどの時点の法令が基準になるかは、受験申込案内書や協会の案内で必ず確認してください。教材を選ぶときも、改正後の内容に対応しているかを確かめることが大切です。
合格基準点と合格率の推移
合格基準点は毎回同じではなく、試験の難しさに応じて年度ごとに決まります。協会が公表した結果報告から、令和3〜7年度を並べます。
| 年度 | 合格基準点(50問中) | 免除者の基準点(45問中) | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 令和3年度 | 35問 | 30問 | 16,538人 | 3,203人 | 19.4% |
| 令和4年度 | 36問 | 31問 | 16,217人 | 3,065人 | 18.9% |
| 令和5年度 | 35問 | 30問 | 14,652人 | 3,208人 | 21.9% |
| 令和6年度 | 38問 | 33問 | 14,850人 | 3,159人 | 21.3% |
| 令和7年度 | 36問 | 31問 | 14,435人 | 2,832人 | 19.6% |
この5年間では、合格基準点は50問中35〜38問、合格率は18.9〜21.9%の範囲でした。50問のうち7割前後を取る目安になりますが、年度によって1〜3問ほど動きます。「35問取れば安全」と決めつけず、どの分野も落とさない学習が安全です。
令和7年度の結果報告には、試験日が2025年12月7日、申込者17,410人、受験率82.9%、合格者の平均年齢44.4歳と記載されています。申し込んだ人のうち、実際に受験したのは約8割です。
合格率は「受験者に対する合格者の割合」です。協会が公表した数字を並べただけで、難易度を断定するものではありません。
マンション管理士の合格者は5問が免除される
マンション管理士試験に合格している人は、受験の申込みのときに申請すると、試験の一部が免除されます。免除の根拠は施行規則66条で、64条の事項のうち4号(適正化法に関すること)が免除されます。協会のQ&Aでは、免除されるのは適正化法に関する5問で、出題は全45問になり、試験時間は13時10分から15時までと案内されています。
| 項目 | 一般の受験者 | マンション管理士の合格者(免除あり) |
|---|---|---|
| 解く問題数 | 50問 | 45問 |
| 免除される分野 | なし | 適正化法に関すること(5問) |
| 試験時間(令和8年度) | 13時〜15時 | 13時10分〜15時 |
| 合格基準点の例(令和7年度) | 50問中36問 | 45問中31問 |
免除を受けるには、申込時に合格番号などの申請が必要です。番号が分からない場合の照会方法も、協会のQ&Aに案内されています。
合格後の流れ:登録と管理業務主任者証
試験に合格しただけでは、管理業務主任者として働けるわけではありません。適正化法59条は、試験に合格し、管理事務に関して国土交通省令で定める期間以上の実務経験を持つ人(または、国土交通大臣がそれと同等以上の能力を認めた人)が、国土交通大臣の登録を受けられると定めています。協会の案内では、実務経験は2年以上とされ、2年に満たない人は協会の登録実務講習を受けて修了試験に合格することで、要件を満たせます。
登録を受けたあと、管理業務主任者証の交付を申請します(適正化法60条)。主任者証の有効期間は5年です。交付を受けるには原則として講習の受講が必要ですが、試験に合格した日から1年以内に交付を申請する場合は不要とされています。登録や講習の詳しい手続きは、協会や国土交通省の最新の案内で確認してください。
なお、マンション管理業者は事務所ごとに、成年者である専任の管理業務主任者を置かなければなりません(適正化法56条)。この仕組みがあるので、管理会社で働く人にとって資格の意味が大きい試験です。
試験の特徴をふまえた学び方
出題分野が5つに分かれていることから、勉強の進め方にも次の3つのコツがあります。
- 民法・区分所有法・標準管理規約をまず固める。 管理組合の運営や委託契約の話は、民法と区分所有法の基本が土台になります。
- 会計と建物・設備は、苦手意識が出やすい分野。 数字や専門用語が多いので、早めに触れておくと安心です。
- 適正化法は条文と手続を正確に。 管理業者や管理業務主任者のルールは、数字や期間が問われます。
資格のエアポートの管理業務主任者講座では、試験の全体像から、マンション管理の登場人物、各分野の授業まで、動画授業で順に学べます。学習内容は講座ページで確認できます。
まとめ
- 試験は50問の四肢択一。令和8年度は2026年12月6日(日)13時〜15時で、受験資格に制限はありません。
- 出題範囲は施行規則64条の5つの事項。令和3〜7年度の合格基準点は50問中35〜38問、合格率は18.9〜21.9%でした。
- マンション管理士の合格者は適正化法の5問が免除され、45問で判定されます(施行規則66条)。
- 合格後に主任者として働くには、実務経験(2年以上、または登録実務講習の修了)を満たしたうえで国土交通大臣の登録が必要です。
日程や手数料は年度ごとに変わります。受験を決めたら、協会の公式サイトで最新の案内を確認してください。

