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論点解説

貸金業法21条の取立て行為の規制とは? 禁止される言動10号と書面・明示義務を表で整理

貸金業務取扱主任者試験で問われる貸金業法21条の取立て行為の規制を、午後9時〜午前8時の時間帯、勤務先への連絡、周りの人を巻き込む行為、弁護士の通知後、催告書面、罰則まで条文で確かめて表で整理します。

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トーレス

貸金業務取扱主任者試験で問われる貸金業法21条の取立て行為の規制を、午後9時〜午前8時の時間帯、勤務先への連絡、周りの人を巻き込む行為、弁護士の通知後、催告書面、罰則まで条文で確かめて表で整理します。

この記事の要点

  • 21条1項は、人を威迫することと、私生活・業務の平穏を害する言動(1号〜10号)を、貸金業者だけでなく取立ての委託を受けた者にも禁じる
  • 夜間の時間帯は施行規則19条1項で午後9時から午前8時まで。正当な理由があれば禁止にならず、時間帯の外でも申出に応じて禁止される場合がある
  • 1項違反は2年以下の拘禁刑・300万円以下の罰金(併科あり)、催告書面の記載漏れや取立て者の明示拒否は100万円以下の罰金
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借金の返済が遅れている人に、貸金業者はどこまで連絡し、どこまで取り立てられるのでしょうか。貸金業法21条は、この「取立て行為」にルールを定めています。貸金業務取扱主任者試験では、禁止される言動を10号に分けた条文の細部が、そのまま問われやすい分野です。この記事では、21条の全体像を表で整理し、時間帯・場所・相手・書面・罰則の順に確かめていきます。

条文は2026年10月15日にe-Gov法令検索で確認した内容に基づきます。試験は受験年度の法令が基準になるため、最新の情報は日本貸金業協会の公式サイトでご確認ください。

結論:21条は「誰が」「何を」してはいけないかを3層で定める

21条は3つの項でできています。まず全体像を表にします。

項 内容 違反したときの罰則
1項 人を威迫すること、私生活・業務の平穏を害する言動の禁止(1号〜10号の例示) 47条の3第1項3号:2年以下の拘禁刑もしくは300万円以下の罰金(または併科)
2項 支払を催告する書面(または電磁的記録)に書く事項 49条7号:100万円以下の罰金
3項 相手の請求があったときに、取立てをする者を明らかにする義務 49条7号:100万円以下の罰金

規制を受けるのは、貸金業を営む者と、貸付けの契約に基づく債権の取立てについて委託を受けた者です。取立てを外部に任せても、任された側が同じ規制を受けるため、「委託すれば規制を逃れられる」という考えは誤りです。また、取立ての相手として条文に出てくる「債務者等」は、貸金業法2条5項で「債務者又は保証人」と定義されています。借りた本人だけでなく、保証人への取立ても対象になる点が重要です。

1項の1号〜10号は「平穏を害する言動」の例示です。条文は「次に掲げる言動その他の…言動」と書いているため、号に載っていなくても平穏を害する言動なら禁止の対象になります。

時間帯の規制:午後9時から午前8時まで(1号・2号)

1号は、正当な理由がないのに、社会通念に照らして不適当な時間帯に、債務者等へ電話をかけたりファクシミリを送ったり、居宅を訪問したりすることを禁じます。この「時間帯」は内閣府令に委ねられていて、施行規則19条1項が午後9時から午前8時までの間と定めています。

2号は、時間帯の外でも禁止される場面を押さえた規定です。債務者等が「この時期に返済する」「この時期に連絡してほしい」と申し出たのに、その申出が社会通念に照らして相当でないなどの正当な理由もなく、その時期とは別の時間に電話や訪問をすると、禁止になります。

号 禁止される場面 押さえどころ
1号 午後9時〜午前8時に、電話・ファクシミリ・居宅訪問 時間帯は施行規則19条1項。正当な理由があれば別
2号 債務者等が申し出た時期と違う時間帯の電話・訪問 申出が相当と認められる場合の規定

どちらの号にも「正当な理由がないのに」という限定がつきます。金融庁の監督指針は、1号の正当な理由の例として、債務者等の自発的な承諾がある場合や、連絡をとる合理的な方法が他にない場合を挙げています。ただし、これは例であり、個別の事実関係で判断されます。

場所の規制:勤務先など居宅以外・退去の求め(3号・4号)

3号は、正当な理由がないのに、勤務先など居宅以外の場所へ電話をかけたり、電報やファクシミリを送ったり、訪問したりすることを禁じます。勤務先に連絡が入ると、本人の仕事や信用に影響が出るためです。

4号は、居宅や勤務先など訪問した場所で、債務者等から「帰ってください」という意思を示されたのに、その場所から退去しないことを禁じます。こちらは3号と違い、「正当な理由がないのに」という限定が書かれていません。

監督指針は、3号の正当な理由の例として、次の3つを挙げています。

  • 債務者等の自発的な承諾がある場合
  • 連絡手段が他にない場合
  • 連絡先が分からないときに、連絡先を確認する目的で債務者等以外の人へ電話する場合

ただし最後の場合でも、電話連絡をしないよう求められたのに、さらに電話をかけることは、平穏を害するおそれが大きいとされています。

周りの人を巻き込む取立ての禁止(5号〜8号)

5号から8号は、債務者等の周りの人を使った取立てを禁じています。

号 禁止される行為 一言でいうと
5号 貼り紙・立看板などの方法で、借入れの事実や私生活の事実を債務者等以外の人に明らかにする 借入れの事実を他人に知らせない
6号 債務者等以外からの借入れなどで返済資金を調達するよう要求する 他から借りて返せと言わない
7号 債務者等以外の人に、代わりに弁済するよう要求する 家族などに肩代わりを求めない
8号 居所や連絡先を教えるなどの協力を拒んでいる人に、さらに協力を要求する 断られたら重ねて頼まない

7号の「債務者等以外の人」という言い方に注意してください。債務者等には保証人が含まれるため、保証人に弁済を求めること自体は7号の対象ではありません(保証人は債務者等だからです)。一方、保証人でも何でもない家族や知人に、代わりに払うよう求めることは7号で禁止されます。

弁護士等の通知後の取立て(9号)と、告げることの禁止(10号)

9号は、債務者等が債務の処理を弁護士・司法書士等に委託したり、そのために必要な裁判所の手続をとったりして、弁護士等または裁判所から書面で通知があった場面の規定です。その後、正当な理由がないのに、電話・電報・ファクシミリ・訪問のいずれかで弁済を要求し、債務者等から「直接要求しないで」と求められたのに、さらに同じ方法で要求することが禁止されます。監督指針は、弁護士等からの承諾がある場合や、弁護士等への委任が終わったという通知があった場合を、正当な理由の例に挙げています。

10号は、6号を除く各号の言動をすることを告げることを禁じています。たとえば「明日、勤務先に行く」と告げた場合、実際に訪問しなくても、告げた時点で禁止行為に当たります。6号を除く理由まで条文は書いていませんが、試験では「6号は10号の対象外」という点が押さえどころになります。

「実行しなければ規制にかからない」は誤りです。10号は、言動を「告げること」自体を独立して禁じています。

催告書面に書く事項(2項)と取立て者の明示(3項)

支払を催告するための書面(または電磁的記録)を送るときは、21条2項が定める事項を書かなければなりません。条文の事項は次のとおりです。

号 記載事項
1号 貸金業者の商号・名称・氏名、住所、電話番号
2号 書面を送付する者の氏名
3号 契約年月日
4号 貸付けの金額
5号 貸付けの利率
6号 支払の催告に係る債権の弁済期
7号 支払を催告する金額
8号 内閣府令で定める事項

8号の内閣府令の事項は、施行規則19条3項が、催告時の残存債務の額と、催告する金額の内訳(元本・利息・債務の不履行による賠償額の別)、保証人に送る場合の保証契約の契約年月日や保証債務の極度額などと定めています。また、同条2項は、書面に封をするなどして、借入れの事実が債務者等以外の人に分からない方法で送ることを求めます。同条4項は、文字と数字を日本産業規格Z8305に規定する8ポイント以上の大きさで、明瞭かつ正確に書くことを求めています。

3項の明示義務は、相手の請求があったときに、貸金業者の商号・名称・氏名と、取立てを行う者の氏名などを、内閣府令で定める方法で相手に明らかにするものです。その方法は施行規則19条6項で、必要事項を8ポイント以上の文字で書いた書面の交付または送付とされています。ただし、貸金業者や委託を受けた者の従業者については、貸金業法12条の4の証明書を提示する方法でもよいと定められています。

試験での問われ方・覚え方

取立て行為の問題は、数字・号・主体を入れ替える形で出されやすい分野です。覚えるときは、次の順で整理すると混乱しにくくなります。

  1. 主体:貸金業を営む者と、取立ての委託を受けた者
  2. 時間帯:午後9時〜午前8時(施行規則)。条文本体には数字がない
  3. 「正当な理由がないのに」が付く号:1号・2号・3号・9号。付かない号は、4号の退去しないこと、5号〜8号、10号
  4. 告げること:10号は6号を除く
  5. 罰則の使い分け:1項違反は47条の3(2年以下の拘禁刑・300万円以下の罰金・併科あり)、2項・3項違反は49条7号(100万円以下の罰金)

暗記だけに頼らず、「債務者の生活や仕事の平穏を守る規定だ」という趣旨から考えると、「勤務先に電話した→3号」「家族に払えと言った→7号」のように、場面と号を結びつけやすくなります。契約の前後に渡す書面の違いは契約締結前の書面と契約締結時の書面の違いの記事で整理しています。

21条1項は「どの時間に」「どこで」「誰に」「何を」の4つの視点で号を見分ける。時間帯の数字は施行規則、書面の記載事項は2項、明示義務は3項。

授業・講座で学ぶには

21条は条文の号数が多く、独学では「どの号が何を禁じていたか」が混ざりがちです。貸金業務取扱主任者講座では、貸金業法の規制を順に整理して学べる講座ページを公開しています。講座ページで内容を確認し、条文とあわせて学習を進めてみてください。

まとめ

  • 21条は、貸金業者と取立ての委託を受けた者に、人を威迫することと、平穏を害する言動を禁じている
  • 夜間の時間帯は施行規則19条1項で午後9時〜午前8時。1号・2号・3号・9号は「正当な理由がないのに」の限定つき
  • 5号〜8号は周りの人を巻き込む取立ての禁止、10号は6号を除く言動を告げること自体の禁止
  • 催告書面は2項と施行規則19条で記載事項と送り方が決まり、3項で請求があれば取立て者を明らかにする義務がある
  • 罰則は、1項違反が47条の3、2項・3項違反が49条7号と分かれる

参考にした情報

記事の内容は、記載の日付時点で確認した情報にもとづいています。最新の情報は各公式サイトでご確認ください。内容に誤りを見つけた場合は、お問い合わせからお知らせください。確認のうえ修正します。

2026年10月15日約9分で読めます
貸金業務取扱主任者試験取立て行為の規制貸金業法21条貸金業法施行規則19条威迫
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