介護福祉士国家試験の筆記試験は、五肢択一を基本とする全125問を、午前と午後に分けて解く試験です。1問1点で、問題は3つのパートに分かれます。この記事では、試験の形、11の科目群、合格の決まり方を、試験を実施している社会福祉振興・試験センターの案内(2026年10月18日に確認)にそって整理します。
介護福祉士国家試験は、どんな試験?
試験センターの案内によると、第39回(2027年1月31日実施)の筆記試験は次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 出題形式 | 五肢択一を基本とする多肢選択形式 |
| 問題数 | 全125問(1問1点、125点満点) |
| 午前 | Aパート 10:00〜11:45(105分) |
| 午後 | Bパート・Cパート 13:40〜15:35(115分) |
| 合計時間 | 220分 |
午前と午後の時間を足すと、220分になります。障害などへの配慮を受ける人や、外国籍の人などには、時間を延ばす取り扱い(1.3倍・1.5倍)もあります。
日程・受験手数料・受付期間は回ごとに決まります。申込みの前に、必ず試験センターの最新の案内を確認してください。
この記事で扱うのは筆記試験です。実技試験や介護技術講習、実務者研修は別の制度で、この記事の範囲ではありません。
11の科目群と3つのパートの関係は?
試験は、11の「科目群」から出題されます。科目群は、3つのパートにまとめられています。
| パート | 科目群 | 配点 |
|---|---|---|
| A | ① 人間の尊厳と自立、介護の基本 ② 社会の理解 ③ 人間関係とコミュニケーション、コミュニケーション技術 ④ 生活支援技術 |
60点 |
| B | ⑤ こころとからだのしくみ ⑥ 発達と老化の理解 ⑦ 認知症の理解 ⑧ 障害の理解 ⑨ 医療的ケア |
45点 |
| C | ⑩ 介護過程 ⑪ 総合問題 |
20点 |
60点・45点・20点を足すと125点で、問題数と同じです。つまり、Aパートは60問、Bパートは45問、Cパートは20問という見方ができます。
覚えやすい目安は、次のとおりです。
- Aは「制度と介護の実践」。社会の理解や生活支援技術など、量の多いパート
- Bは「からだと心の理解」。認知症・障害・医療的ケアが入る
- Cは「事例で考える」。介護過程と、4つの領域をまたぐ総合問題
総合問題は、出題基準のページに「4領域を横断する総合問題を出題する」と書かれています。人間と社会、介護、こころとからだのしくみ、医療的ケアの知識を、1人の利用者の場面でまとめて使う問題です。
合格の決まり方は、第39回からどう変わった?
第39回から、合格基準の書き方が変わりました。試験センターの合格基準のページでは、受験のしかたで次の2通りに分けています。
| 受験のしかた | 合格の条件 |
|---|---|
| 全パートを受験する人 | 次の(1)か(2)のどちらかを満たす |
| 一部のパートだけ受験する人 | 受験したパートごとに、そのパートの基準を満たす |
全パート受験の人の(1)と(2)は、次のとおりです。
- 総得点が合格基準点以上で、かつ11の科目群のすべてで1点以上取る
- パートごとに、そのパートに割り当てられた基準点以上で、かつそのパートの科目群のすべてで1点以上取る
(1)の合格基準点は、総得点の60%程度を基準に、問題の難易度で補正した点数です。毎回の試験の後に決まるので、事前に「何点で合格」とは言えません。(2)の基準点は、全パート受験者の平均点の比率などをもとに、合格基準点を各パートへ割り当てた点数です。
どちらの条件でも「科目群のすべてで1点以上」が入っています。得意不得意があっても、11の科目群のどれか1つが0点だと、不合格になるおそれがあります。
パート合格とは? いつまで有効?
パート合格は、第38回から始まったしくみです。3つのパートに分けて合否を判定し、合格したパートは、翌年・翌々年の試験で受験が免除されます。
合格基準のページには、パート合格の有効期間が「合格した試験の翌々年の試験まで」と書かれています。免除を使える人には、次の決まりもあります。
- 第39回の申込みで、パートを選んで受験できるのは、第38回でパート合格を得た人
- 初めて受ける人や、第38回でどのパートも合格しなかった人、最後の受験が第37回以前の人は、全パートを受験する
- 再受験では、全パートを受験するか、合格していないパートだけを受験するかを選ぶ(合格していないパートの一部だけを受験することはできない)
- 申込み後は、選んだパートを変更できない
どのパートに合格したか分からない場合は、試験センターに問い合わせるように案内されています。
受験できる人の条件は?
介護福祉士国家試験は、誰でも受けられる試験ではありません。受験資格には、次の4つのルートがあります。
| ルート | 概要 |
|---|---|
| 養成施設 | 介護福祉士の養成施設を卒業する |
| 実務経験+実務者研修 | 実務経験と、実務者研修などの要件を組み合わせる |
| 福祉系高校 | 福祉系の高校を卒業する(入学年度によって条件が違う) |
| EPA | 経済連携協定にもとづく候補者 |
「実務経験が3年以上あればよい」という案内ではありません。実務経験のルートは、実務者研修などの要件と組み合わせて考えます。また、実務経験の範囲は分野ごとに決まっています。
養成施設のルートには、時期による違いがあります。試験センターの案内では、令和8年度末(2027年3月)までに卒業した人は、卒業後5年間は国家試験を受けなくても介護福祉士になれます。令和9年度以降に卒業する人は、国家試験に合格しなければ介護福祉士になれません。
自分がどのルートか、どの書類が必要かは、試験センターの受験資格のページと受験の手引で確かめてください。
出題範囲は、どこまで?
出題の目安は、試験センターが公表している「出題基準」です。ただし、出題基準は標準的な出題範囲の例示で、出題範囲を厳密に限定するものではありません。法律・政省令・公刊物に書かれた事項から出題されることもあります。
そのため、勉強では次の順番を意識すると進めやすくなります。
- 11の科目群のすべてで、基本用語と考え方をおさえる(0点の科目群を作らない)
- 制度の科目は、法改正の時期(施行日)に気をつけて、最新の内容を確かめる
- 事例の問題で、知識を場面に当てはめる練習をする
学習の進め方と講座について
パートごとに量と性格が違うので、「Aは暗記と理解の土台」「Bは仕組みの理解」「Cは読み方の練習」と分けて計画を立てると、迷いにくくなります。
資格のエアポートの介護福祉士講座は、筆記試験の対策講座です。人間と社会・介護・こころとからだのしくみ・医療的ケア・総合問題を、76本の授業で扱います。実技試験・介護技術講習・実務者研修は、この講座の範囲に入っていません。料金は月額2,484円〜(年額プラン29,800円・一括払いの月あたり。月額プランは3,980円)です。
通信講座どうしの料金や形式の違いを知りたい人は、介護福祉士の通信講座を比較した記事も参考にしてください。
よくある質問
Q. 試験は全部で何問ですか? A. 筆記試験は全125問です。五肢択一を基本とする多肢選択形式で、1問1点です。
Q. 試験時間は何分ですか? A. 午前のAパートが105分、午後のB・Cパートが115分で、合計220分です(第39回の案内)。
Q. 11の科目群の1つで0点だと、不合格ですか? A. 合格の条件に「科目群のすべてで1点以上」が入っているため、0点の科目群があると、合格の条件を満たしません。
Q. パート合格は、いつまで使えますか? A. 合格した試験の翌々年の試験までです。ただし、第37回以前の結果はパート免除に使えません。
まとめ
- 筆記試験は全125問・220分。午前にA、午後にB・Cを解く
- 11の科目群は3パート(A60点・B45点・C20点)に分かれる
- 第39回からは、総得点の基準とパートごとの基準があり、どの条件でも全科目群で1点以上が必要
- 日程・手数料・受験資格は変わりうるので、申込み前に試験センターの最新の案内を確認する

