「貸金業務取扱主任者って、どんな試験なの?」「何問出て、何問取れば合格なのか知りたい」。この記事は、そうした疑問に答えるために、試験の全体像を整理したものです。
試験を実施しているのは日本貸金業協会です。この記事の内容は、2026年10月2日に同協会の公式サイトで確認した情報にもとづいています。年度によって変わる部分があるため、受験する年度の実施要領は必ず公式サイトで確認してください。
貸金業務取扱主任者試験は、年1回・50問・2時間の4肢択一試験です。出題の中心は貸金業法などの法令で、直近2回の合格率は32%台でした。
貸金業務取扱主任者とは
貸金業務取扱主任者は、貸金業者の営業所や事務所に置かなければならない人です。平成15年8月の貸金業法の改正で制度ができ、平成21年6月18日から国家資格になりました。平成22年6月18日以降は、貸金業者は営業所または事務所ごとに、法令で定める数の主任者を置く必要があります。
主任者の役割は、貸金業の業務に従事する人たちに対して、法令を守って業務を行うための助言や指導をすることです。
なお、試験に合格しただけでは貸金業務取扱主任者にはなれません。合格後に主任者登録を申請して、登録を受けてはじめて主任者になります。この点は後ほど説明します。
試験の基本情報
試験の形式は、日本貸金業協会の「試験の実施方法」のページで次のように案内されています(令和8年度)。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 試験方法 | 筆記試験 |
| 問題数 | 50問 |
| 出題形式 | 4肢択一方式 |
| 解答方式 | マークシート方式 |
| 試験時間 | 2時間(13時00分〜15時00分) |
| 試験日 | 令和8年11月15日(日) |
| 試験地 | 札幌・仙台・千葉・東京・埼玉・神奈川・群馬・名古屋・金沢・大阪・京都・神戸・広島・高松・福岡・熊本・沖縄(全国17地域) |
| 受験手数料 | 8,500円(政令で定められています) |
試験問題は持ち帰ることができます。また、令和8年度の日程は、申込受付が令和8年7月1日から9月10日まで、合格発表が令和9年1月12日と案内されています。受験資格などの細かい条件は、公式サイトの試験実施要領で確認してください。申込みの手順は別の記事で取り上げます。
試験科目と出題数の目安
試験科目は次の4つです。科目別の出題数は「目安」として公表されています。
| 試験科目 | 出題数の目安 |
|---|---|
| 1. 法及び関係法令に関すること | 22〜28問 |
| 2. 貸付け及び貸付けに付随する取引に関する法令及び実務に関すること | 14〜18問 |
| 3. 資金需要者等の保護に関すること | 4〜6問 |
| 4. 財務及び会計に関すること | 2〜4問 |
| 合計 | 50問 |
協会は、科目別の出題数は目安であり、実際の問題数とは異なることがあると案内しています。実際に、第20回の出題数は法令27問、実務15問、資金需要者等の保護5問、財務会計3問でした。
各科目で出る法令
出題範囲は、協会の「試験科目及び出題範囲」のページに一覧があります。主なものを紹介します。
- 科目1(法及び関係法令): 貸金業法・同施行令・同施行規則、出資法、利息制限法、金融庁の監督指針、日本貸金業協会の自主規制基本規則など
- 科目2(法令及び実務): 民法・商法・会社法などの民事法、民事訴訟法・民事執行法などの民事手続法、破産法・民事再生法などの倒産法、暴力団対策法や犯罪収益移転防止法などの刑事法
- 科目3(資金需要者等の保護): 個人情報保護法、消費者契約法、景品表示法、貸金業法のうち借り手の保護に関する部分
- 科目4(財務及び会計): 家計の収支や所得の考え方などの家計診断、企業会計の考え方や財務諸表などの財務会計
つまり、試験は貸金業法を中心に、民法などの周辺の法律まで広く出題されます。科目2・3・4のうち貸金業の業務に必要な範囲とされている項目は、範囲を限って出題されます。
出題に係る法令等は、令和8年度の試験では「令和8年4月1日において施行されている法令等」とされています。法改正があった年は、その時点の法令で勉強することが大切です。
合格基準点と合格率
合格基準点は、試験ごとに決まって発表されます。直近2回の結果を表にまとめます。
| 項目 | 第19回(令和6年度) | 第20回(令和7年度) |
|---|---|---|
| 試験日 | 令和6年11月17日 | 令和7年11月16日 |
| 受験申込者数 | 10,662人 | 11,371人 |
| 受験者数 | 9,250人 | 9,878人 |
| 合格者数 | 2,998人 | 3,208人 |
| 合格率 | 32.4% | 32.5% |
| 合格基準点 | 50問中30問正解 | 50問中31問正解 |
第20回の科目別の平均正答率は、法令が54.1%、実務が46.5%、資金需要者等の保護が62.1%、財務会計が54.1%で、全体では52.6%でした。実務(科目2)の平均正答率がいちばん低く、民法などを実務の場面で使う問題で差がつきやすいことがうかがえます。
合格基準点は毎回同じとは限りません。協会の結果発表では、30問の回も31問の回もありました。目標を決めるときは「6割強の得点」を目安にしつつ、最新の発表を確認するのがよいでしょう。
合格後の流れ:主任者登録
試験に合格したあとは、主任者登録を申請します。登録を受けてはじめて貸金業務取扱主任者になれます。主任者登録は個人の任意で、主任者として働く予定がなければ登録しなくても、合格の資格がなくなることはありません。
登録まわりで知っておきたい点は次のとおりです。
- 試験に合格した日から10か月(団体申請は9か月)を超えて申請する場合は、登録講習の受講が必要です。貸金業法第24条の25第2項は「合格した日から1年以内」に登録を受けるなら講習は不要としており、協会の説明では、申請から登録完了まで約2か月かかるため10か月と案内されています
- 登録の有効期間は主任者登録日から3年です。更新するときは、登録講習の受講が必要になります
試験の問われ方と勉強の進め方
試験の中心は科目1・2、つまり貸金業法を軸にした法令です。この2科目で合計36〜46問と、全体の大半を占めます。まずは貸金業法の条文と、利息制限法・出資法の金利のルールを固めるのが近道です。そのうえで、民法などの周辺法令を、貸金業の場面とつなげて覚えていきます。
科目3・4は問題数が少ないため、科目1・2の土台ができたあとで、頻出の部分に絞って対策するやり方もあります。
資格のエアポートの貸金業務取扱主任者講座では、講座ページで授業の内容を確認できます。AI講師トーレスに質問しながら、学習を進めることもできます。
まとめ
- 試験は年1回、50問・4肢択一・2時間。令和8年度は11月15日(日)です
- 科目は4つで、貸金業法などの法令が出題の中心です
- 合格基準点は第19回が30問、第20回が31問で、合格率は32%台でした
- 合格後は主任者登録を申請して、はじめて主任者になれます
最新の日程・手数料・実施方法は、日本貸金業協会の公式サイトでご確認ください。

