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論点解説

みなし利息とは? 利息に含まれる費用・含まれない費用を利息制限法3条・6条で整理

貸金業務取扱主任者試験の頻出論点、みなし利息を整理。手数料や調査料が利息に数えられる理由と、利息制限法6条1項・2項や施行令で例外になる費用、ATM利用料の額を表で確認します。

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トーレス

貸金業務取扱主任者試験の頻出論点、みなし利息を整理。手数料や調査料が利息に数えられる理由と、利息制限法6条1項・2項や施行令で例外になる費用、ATM利用料の額を表で確認します。

この記事の要点

  • 元本以外に貸し手が受け取る金銭は、礼金・手数料・調査料など名目を問わず利息とみなされ、上限金利の計算に入る(利息制限法3条本文)
  • 貸金業者などの営業的金銭消費貸借では、利息に数えない費用が6条1項(債務者の要請による事務の費用)と6条2項(契約締結・弁済の費用のうち3種類)に限られる
  • ATMなどの利用料は、1万円以下なら110円、1万円超なら220円(消費税額等相当額を含む)までが利息とみなされない(施行令2条)
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貸金業務取扱主任者試験の利息の分野では、「元本以外にお金を受け取ったとき、それは利息として数えるのか」という問題がくり返し出てきます。これがみなし利息の論点です。原則は広く利息に数え、例外は条文に書かれたものだけ、という二段構えになっています。この記事では、条文を順に確かめながら、利息に含まれる費用と含まれない費用を整理します。

条文は2026年10月10日にe-Gov法令検索で確認した内容に基づきます。試験では出題年度の4月1日時点の法令が基準になりますので、受験する年度の案内もあわせて確認してください。

結論:元本以外のお金は、名目を問わず利息とみなされる

利息制限法3条本文は、金銭を目的とする消費貸借(お金の貸し借り)に関して貸し手が受け取る元本以外の金銭は、「礼金、割引金、手数料、調査料その他いかなる名義をもってするかを問わず」利息とみなす、と定めています。

なぜこう定めるのでしょうか。利息に上限があっても、「利息」以外の名前でお金を受け取れるなら、上限は意味を失います。名前を変えれば逃げられる、という抜け道をふさぐための規定です。

上限金利を超えていないかを調べるときは、利息として約束された金額だけでなく、みなし利息も足して比べます。名目が「手数料」でも「調査料」でも、中身が貸付けに関して受け取る元本以外のお金なら、利息に数えます。

計算例:調査料を足すと上限を超える

この記事用に作った例です。貸金業者のC社が、Dさんに20万円を1年間貸すとします。20万円は10万円以上100万円未満ですから、上限は年18%、1年分の利息の上限は3万6,000円です(上限の区分は利息制限法の上限金利の記事で整理しています)。

項目 金額
利息として約束した金額 3万円
「調査料」として受け取る金額 1万円
利息とみなされる合計 4万円
1年分の利息の上限 3万6,000円
上限を超える部分 4,000円

利息だけを見れば3万円で上限以内ですが、調査料の1万円も利息とみなされるため、合計4万円となって上限を超えます。無効になるのは超過部分の4,000円で、契約全体が無効になるわけではありません。

例外のしくみは「3条ただし書」と「6条」で分かれる

利息に数えないものには、条文上の入り口が複数あります。ここが試験で混乱しやすいところなので、まず全体の地図を作ります。

条文 対象 利息に数えないもの
3条ただし書 営業的でない貸し借り(業として行わないもの) 契約の締結および債務の弁済の費用
6条1項 営業的金銭消費貸借 債務者の要請により債権者が行う事務の費用で、政令で定めるもの
6条2項 営業的金銭消費貸借 契約の締結および債務の弁済の費用のうち、3種類に限る

営業的金銭消費貸借とは、貸し手が業として行う金銭消費貸借のことです(5条1号の定義)。貸金業者の貸付けはこれに当たります。

業として行わない貸し借りでは、契約の締結や弁済の費用は幅広く利息から外れます。ところが営業的金銭消費貸借では、6条2項が「次に掲げる費用に限り」3条ただし書の適用がある、と範囲をしぼっています。貸金業者の貸付けのほうが、利息に数えない費用が狭く決められているのです。

「契約の締結や弁済の費用は、利息とみなされない」とだけ覚えると失点します。貸金業者の貸付けでは、6条2項に挙がる3種類だけが例外です。それ以外の契約締結・弁済の費用は、利息に数えます。

6条2項:契約の締結・弁済の費用のうち3種類

営業的金銭消費貸借で、契約の締結および債務の弁済の費用として利息に数えないのは、6条2項が挙げる次の3つです。

号 内容 イメージ
1号 公租公課の支払に充てられるべきもの 税金など
2号 強制執行の費用、担保権の実行としての競売の手続の費用、その他公の機関が行う手続に関してその機関に支払うべきもの 裁判所などの公の機関の手続に支払う費用
3号 債務者が金銭の受領または弁済のために利用する現金自動支払機(ATM)その他の機械の利用料(政令で定める額の範囲内のものに限る) 借りるとき・返すときのATM利用料

1号と2号は、貸し手の収入ではなく、国や公の機関に支払われるお金です。そのためみなし利息から外れる、と整理すると覚えやすくなります。3号だけは、政令で定める額の範囲内という限定がつきます。

ATM利用料はいくらまで外れるのか

3号の「政令で定める額」は、利息制限法施行令2条に書かれています。

ATMなどで受け取る額・支払う額 利息とみなされない利用料の額
1万円以下 110円
1万円を超える 220円

どちらも消費税額等相当額を含んだ金額です。条文は「1万円以下」と「1万円を超える」で区切っていますので、ちょうど1万円のときは110円の側になります。

たとえば、Eさんが7,000円を返済するときのATM利用料が110円なら、利息に数えません。3万円を返済するときの利用料が300円なら、220円を超える分は範囲外ですから、利息として数えることになります。この「範囲内だけが外れる」という決め方が、試験では数字の入れ替えで問われやすい部分です。

6条1項:債務者の要請による事務の費用

もう一つの例外が6条1項です。金銭の貸付けおよび弁済に用いるため債務者に交付されたカードの再発行の手数料など、債務者の要請により債権者が行う事務の費用で、政令で定めるものは、3条本文を適用しない、と定めています。

政令で定める費用は、利息制限法施行令1条の次の3つです(いずれも消費税額等相当額を含む)。

号 費用
1号 金銭の貸付けおよび弁済に用いるため債務者に交付されたカードの再発行の手数料
2号 貸金業法に基づいて債務者に交付された書面の再発行(電磁的方法で提供された事項の再提供を含む)の手数料
3号 口座振替による弁済で、債務者が弁済期に弁済できなかった場合に行う再度の口座振替手続に要する費用

また、施行令1条の柱書には、この費用は「法令の規定により業として貸付けを行うことができる者」が業として行った営業的金銭消費貸借に関して受けるもの、という限定もついています。

取り違えやすい3つの組み合わせ

試験では、上の3つに「似ているが外れないもの」を混ぜた選択肢が作られがちです。区別のしかたを3つ挙げます。

1. カード:「再」発行だけが外れる

施行令1条1号が挙げているのは、カードの再発行の手数料です。条文は再発行と書いていますので、最初の発行の手数料まで外れる、とは読めません。「カードに関する手数料はすべて外れる」という文は、条文を超えた言い方です。

2. 書面:再発行・再提供が外れる

2号は、貸金業法に基づいて交付された書面の再発行(電磁的方法で提供した事項の再提供を含む)の手数料です。条文は再発行・再提供と書いていますので、書面に関する手数料がすべて外れるわけではありません。

3. 口座振替:「弁済できなかった後の再度の振替」だけが外れる

3号が挙げているのは、弁済期に弁済できなかった場合に行う再度の口座振替手続の費用です。約定どおりの弁済期に行う通常の口座振替の費用は、この号に当たりません。

3つに共通するのは「再」の字です。再発行・再提供・再度の振替という、あとから改めて行う事務の費用が政令で定められています。「再」がついていないものは、この3つには含まれません。

ATM利用料と6条1項の費用は別の入り口

ここで整理しておきたいのは、ATM利用料と、カード再発行などの費用は、別の条文から外れている点です。

費用 外れる根拠 数字の限定
ATM利用料 6条2項3号+施行令2条 1万円以下110円、1万円超220円
カード再発行・書面再発行・再度の口座振替 6条1項+施行令1条 金額の上限は条文に書かれていない
税金、強制執行・競売など公の機関への支払 6条2項1号・2号 なし

試験の選択肢では、条番号をすり替えて「6条1項により…」と書いたり、ATM利用料に「政令で定める額の範囲内」という限定がないかのように書いたりして、誤りを作ることがあります。どの費用がどの入り口から外れるのか、表のかたちで頭に入れておくと、判断が早くなります。

試験での問われ方と覚え方

みなし利息の問題は、次のような形で出されやすい論点です。

  • 名目(手数料・調査料・礼金など)が違っても利息に数えるかどうか
  • 営業的金銭消費貸借で、契約の締結・弁済の費用が利息から外れる範囲(6条2項の3種類に限る)
  • ATM利用料の額(1万円以下110円、1万円超220円)と、消費税額等相当額を含むこと
  • カード・書面・口座振替の費用のうち、どれが施行令1条で外れるか

覚え方の手順を、次のように決めておくと迷いません。

  1. 元本以外のお金は、まず「利息とみなす」と考える(3条本文)
  2. 貸金業者の貸付け(営業的金銭消費貸借)なら、外れるのは6条1項・2項の列挙だけと考える
  3. 6条2項は「公租公課・公の機関への支払・ATM利用料」の3つ
  4. 6条1項(施行令1条)は「再発行・再提供・再度の振替」の3つ
  5. ATM利用料だけは額の限定(110円・220円)がある

学習の進め方

みなし利息は、暗記する項目が多く見えますが、骨組みは「原則は利息に数える、例外は列挙」の一点です。条文をそのまま眺めるより、自分で金額を決めた例を作り、「この費用は利息に入るか」と一つずつ判定するほうが定着します。

貸金業務取扱主任者試験の学習全体の流れを確認したい方は、貸金業務取扱主任者講座のページで講座の内容を確認できます。上限金利の区分から先に整理したい方は、利息制限法の上限金利の記事もあわせてご覧ください。

まとめ

  • 元本以外に貸し手が受け取るお金は、礼金・手数料・調査料など名目を問わず、利息とみなされる(利息制限法3条本文)
  • 上限金利を超えるかは、利息に、みなし利息を足した合計で判断する
  • 貸金業者の貸付けでは、例外は6条1項(債務者の要請による事務の費用で政令で定めるもの)と6条2項(公租公課・公の機関への支払・ATM利用料)に限られる
  • ATM利用料は、1万円以下なら110円、1万円超なら220円まで(消費税額等相当額を含む)
  • 施行令1条の3つは、カードの再発行、書面の再発行・再提供、弁済できなかった後の再度の口座振替の費用

法令は改正されることがあります。試験を受ける年度の案内と、その年度の4月1日時点で施行されている条文を、e-Gov法令検索などで必ず確認してください。

参考にした情報

記事の内容は、記載の日付時点で確認した情報にもとづいています。最新の情報は各公式サイトでご確認ください。内容に誤りを見つけた場合は、お問い合わせからお知らせください。確認のうえ修正します。

2026年10月10日約10分で読めます
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