「仕事が忙しくて、まとまった勉強時間は取れない。それでも2か月で受かるだろうか」。情報セキュリティマネジメント試験を考えている社会人の方から、よく出る疑問です。
この記事では、試験の形式を確認したうえで、働きながら8週間で仕上げるための学習スケジュール例を紹介します。あくまで一つの例です。ご自身の予定に合わせて組み替えてください。
2か月で合格できるかどうかは、もともとのITの知識や、確保できる時間によって変わります。この記事のスケジュールは合格を保証するものではありません。
先に確認したい試験の形式
スケジュールを組む前に、試験の形をおさえます。IPA(独立行政法人 情報処理推進機構)の案内(2026年10月8日確認)によると、次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 出題数 | 60問(科目Aと科目Bを合わせて) |
| 試験時間 | 120分 |
| 出題形式 | 多肢選択式(科目Aは四肢択一) |
| 実施方式 | CBT方式(会場のパソコンで受験)・通年で随時実施 |
| 合格基準 | 1,000点満点中600点以上(IRT方式で採点) |
IRT(項目応答理論)とは、問題ごとの難しさなどを考慮して得点を出す方式です。「何問正解で何点」と単純には計算できないため、「6割ちょうどを狙う」より、どの分野でも大きく落とさないことをめざすほうが安全です。
決まった試験日はない
この試験は通年実施で、受験者が申込み時に日時と会場を選びます。つまり、学習計画は「決まった試験日に間に合わせる」ものではなく、自分で受験日を決めて、そこから逆算するものです。
受験日を先に決めると、勉強の「締め切り」ができます。先延ばしを防ぐ効果が大きいので、学習を始める週のうちに仮の日程を押さえておくのがおすすめです。変更は試験日の3日前までという案内があるため、予定がずれたときも組み直せます。申込みの流れと手数料は申込み方法と受験の流れで整理しています。最新の情報はIPAと試験会場運営の公式サイトで確認してください。
なお、IPAのページには2026年12月28日以降に試験を休止する予定との注記があります。年内受験を考える場合は、日程を早めに確認してください。
2か月計画の考え方
8週間を、次の4段階に分けます。平日は仕事の後に短い時間、休日にやや長めの時間を取る想定です。
| 段階 | 期間 | ねらい |
|---|---|---|
| 1. 土台づくり | 1〜2週目 | 用語と基本の考え方をそろえる |
| 2. 分野の学習 | 3〜5週目 | 脅威・対策・マネジメント・法規を一通り学ぶ |
| 3. 演習 | 6〜7週目 | 問題演習で「使える知識」に変える |
| 4. 仕上げ | 8週目 | 弱点の補強と本番の準備 |
優先順位をつける
全分野を同じ重さで学ぶ必要はありません。当ブログの分析記事では、平成28年春〜令和元年秋の公開問題400問を論点ごとに集計しています。その結果では、情報セキュリティの脅威・マネジメント・対策の3分類で約6割を占めました。くわしくは科目Aでよく出る分野ランキングをご覧ください。
つまり、前半の時間はこの3分類に厚く配分するのが効率的です。法規やネットワーク、監査などは、その後に広く浅く固めます。
週ごとのスケジュール例
1〜2週目: 土台づくり
最初にやるのは、言葉をそろえることです。
- 機密性・完全性・可用性(CIA)の意味を、自分の言葉で言えるようにする
- 資産・脅威・脆弱性・リスクの関係を整理する
- 試験の全体像(60問・120分・科目A/科目B)をつかむ
ここは「暗記」ではなく「理解」が大事です。CIAは機密性・完全性・可用性の違い、脅威・脆弱性・リスクは3つの言葉の違いで、具体例つきで整理しています。この段階を急ぐと、後の分野が丸暗記になってしまいます。
目安は、平日は30分〜1時間、休日は2時間程度です。時間はあくまで例で、短い日があっても構いません。
3〜5週目: 分野の学習
土台ができたら、分野ごとに進めます。1週間に1〜2分野を目安にします。
- 3週目: 脅威と攻撃 — マルウェア、標的型攻撃、パスワードへの攻撃、Webの脆弱性などを学ぶ
- 4週目: 暗号・認証・ネットワークの対策 — 暗号、認証、アクセス制御、ファイアウォールなどを学ぶ
- 5週目: マネジメントと法規 — ISMS、リスクアセスメント、インシデント対応、不正アクセス禁止法、個人情報保護法などを学ぶ
意識したいのは、脅威と対策を対にして覚えることです。「この攻撃には、この対策が効く」とセットにしておくと、科目Bのケース問題で使えます。リスクへの対処はリスク対応の4つの違いも参考になります。
週の終わりに、その週に学んだ分野の確認問題を解く習慣をつけます。1週間たつと、人は意外と忘れているものです。「学んだ直後」より「少し時間を置いて」解くほうが、定着の確認になります。
6〜7週目: 演習
ここからは問題演習が中心です。
- 科目A: 分野ごとに解き、間違えた問題は「なぜ間違えたか」を一言で書き留める
- 科目B: ケース問題の読み方に慣れる。登場人物と立場、起きている問題、守るべき情報の順に整理する
- 間違いを2種類に分ける。「知らなかった」なら該当分野に戻る。「知っていたのに当てはめられなかった」なら、問題文の読み方を見直す
IPAが公開している過去問題・公開問題を使う場合は、公式サイトに掲載されているものを使ってください。解きっぱなしにせず、間違えた問題を翌週にもう一度解くと、弱点が見えやすくなります。
8週目: 仕上げ
最終週は、新しいことを増やさず、これまでの復習に絞ります。
- 間違えた問題のメモを見直す
- 120分を通しで解き、時間配分を確認する
- 前日は早めに休み、当日に必要な本人確認書類などを確認する
時間配分では、科目Aを手早く正確に進めて、状況を読む時間が必要な科目Bに余裕を残すのが現実的です。
予定が遅れたときの立て直し方
社会人の学習で、計画どおりに進むことのほうがまれです。遅れたときの考え方を決めておくと、気持ちが折れにくくなります。
- 週に1日は予備日にする: 残業や体調不良で止まった分を、ここで取り戻します
- 優先度の低い分野を後回しにする: 3週目までの分野を優先し、法規や周辺分野は演習の中で補います
- 受験日をずらす: この試験は通年実施です。仕上がっていないのに受けるより、日程を変更して1〜2週間延ばすほうが、結果的に早いこともあります
「完璧に終わらせる」より「毎週、前に進む」ことを目標にしましょう。2か月で届かなければ、3か月に延ばしても問題ありません。
授業動画を使うという選択肢
忙しい社会人にとって、学習の最大の壁は「何をどの順番でやるか」を考える時間です。独学では、参考書のどこから読むかで迷い、計画づくりだけで時間を使ってしまうことがあります。
情報セキュリティマネジメント講座では、出題される論点を1本10分前後の授業動画に分けています。通勤中や昼休みなど、すき間時間に1本ずつ進められるので、上の「3〜5週目」の分野学習と相性がよい形です。わからない点はAI講師トーレスに質問できます。授業の一覧は講座ページで確認できます。独学を選ぶ場合も、上の4段階の流れは同じように使えます。
まとめ
- 試験は60問・120分、合格基準は1,000点満点中600点以上。CBT方式で通年実施されるため、受験日は自分で決められます
- 2か月は、土台づくり→分野の学習→演習→仕上げの4段階で組みます
- 前半は、出題の多い「脅威・マネジメント・対策」を優先します
- 週に1日の予備日を作り、遅れたら受験日をずらす選択肢も持っておきます
試験の概要は試験の形式と学習の進め方にもまとめています。まずは受験日の仮押さえと、1〜2週目の土台づくりから始めてみてください。

